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MR未リーチ医師の、疾患・薬剤情報収集方法‐公立病院 勤務医師編‐

記事公開日 2024.07.02
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記事公開日 2024.07.02

取材年月:2024年3月

定期的にMRから情報収集を行っていない医師(「MR未リーチ」と定義)は、薬剤・治療情報をどのように収集しているのでしょうか?

今回は、公立病院 血液内科に勤務されているD先生のインタビュー内容をご紹介します。

同テーマで大学病院乳腺外科勤務医へ行ったインタビュー内容も公開していますのでぜひご覧ください。

>>> 医師インタビュー「MR未リーチ医師の、疾患・薬剤情報収集方法‐大学病院勤務医師編‐」 (2024.06.19)

D先生プロフィール ・施設形態:公立病院
・診療科:血液内科
・年代:40代
・新薬の処方意向:新薬は進んで採用・処方を検討
背景・目的

「定期的にMRから情報を入手していない」(=MR未リーチ)医師群へ「処方行動が変化した薬剤の情報源」を聞いたところ、「インターネットサイト」、「インターネット講演会」がともに50%以上と高い割合となりました。

しかし、MR未リーチの医師群であるにも関わらず、処方行動が変化した薬剤の情報源として「MRから入手した情報」を選択している医師も一定数いることが分かりました。(DM白書2023年春号)

そこで、MR未リーチの医師の疾患・薬剤情報の実態を明らかにするため、2名の医師にインタビューを行いました。

>>> ラボ限定データ「MRがリアルでアプローチできていない医師の情報入手先」 (2023.08.04)

目次

詳細

定期的にMRと会っていない理由は、「MRから新薬に関する有益な情報を得られないから」

先生が定期的にMRに会っていない理由を教えてください

これまで、MRから新しい情報を得ることはあったのでしょうか?

新薬の処方イメージを固め、薬剤を適正利用するための最適なチャネルは、「インターネットサイト」

「MR未リーチ先におけるメディアマインドシェア※1」の表を見ながら、D先生のチャネル活用比率を回答いただいた結果は下表※2のとおりです。

MR未リーチ先におけるメディアマインドシェア
  • ※1 媒体ごとの接触時間や影響度を測るための指標で、医師が疾患・薬剤情報を得る際に活用する媒体について全体を100%とした際に各メディアが占める割合を指します。メディアマインドシェアについてはこちら
  • ※2 医師版マルチメディア白書2023年冬号
    DM白書2023年冬号(調査期間:2023年10月13日~10月20日/調査方法:インターネット/有効サンプル数:医師5,069名)

最も割合の高い「インターネットサイト」(40%)は、どのように利用されていますか?

どのようなツールで情報収集しているのでしょうか?

製薬企業が提供しているWebサイトに掲載される臨床試験データなどはご覧にならないのでしょうか?

次に割合の高いのは医療系雑誌(20%)ですが、論文の入手先として利用されているのでしょうか?

複数の情報を入手するのには、医療系雑誌が最も使いやすいのでしょうか?

具体的にはどういった雑誌を読まれているのでしょうか?

学会誌(10%)、学会(10%)、先輩・同僚の医師仲間(10%)はどのように利用していますか?

MR(10%)はどのように利用していますか?

同じ情報を、複数のチャネルから収集されるのですね。

MRの対応が薬剤使用に影響することはありますか?

他施設の情報は、MR以外から入手することもできますか?

インターネット講演会はまったく視聴しないのでしょうか?

先生は、新薬発売前にひととおりの情報収集が終わっているのでしょうか?

興味がわいた薬剤は、学術情報+MR・インターネット講演会で情報収集

続いて、新薬処方の段階を以下5段階とした場合、興味が沸いた薬剤を調べるチャネルについて、段階別に回答いただきました。

新薬処方段階別のチャネル活用方法

専門領域での新薬処方の各段階で必要な情報と、その情報を入手するために利用するチャネルについて、教えてください。

「(1)薬剤の情報収集をしている」「(2)既存薬と比較検討している」の段階では、どのような情報が必要で、どのチャネルを利用していますか?

「(3)数例の処方をしている」段階はいかがでしょうか?

MRには面談で質問されますか?

同僚や先輩にも薬剤の使用感を聞いていますか?

インターネット講演会はどのように利用していますか?

チャネル組み合わせ意向は、インターネットサイト×医療系雑誌

DM白書ラボで調査を行った、MRリーチあり/なし、それぞれの医師における新薬処方の各段階における活用チャネルの組み合わせTOP3は下表のとおりです。

MRリーチ有無別・新薬処方の各段階における活用チャネルの組み合わせTOP3

>>> MR未リーチ医師の、新薬処方の各段階におけるチャネル組み合わせ意向 (2024.01.17)

新薬処方の各段階で、情報収集するチャネルが2つしか使えないとしたら、先生はどのチャネルを使いますか?

「(3)数例の処方をしている」段階ではいかがでしょうか?

この段階では、MRからの情報が重要ということでしょうか

新薬の処方意向の差が、チャネル活用傾向にも影響

MR未リーチの医師を対象としたDM白書の調査結果※3が下表のとおりです。

MR未リーチ先におけるPI※4
  • ※3 医師版マルチメディア白書2023年冬号(調査期間:2023年10月13日~10月20日/調査方法:インターネット/有効サンプル数:医師5,069名)
  • ※4 「処方インパクト(PI)」は、プロモーション効果を推計するMCI DIGITAL独自の指標で、プロモーションにより処方行動が変化した薬剤の回答率を指します。詳しくはこちら

処方の意思決定をする際に使うチャネルとして、調査結果ではインターネット講演会が半数以上を占めています。これはなぜだと思いますか?

MRからの情報は「他施設の処方状況」や「副作用情報の提供」が重要

薬剤プロファイル以外の処方決定要因への影響について、「MR活動への期待事項とその評価」の調査結果は下表のとおりです。

MR未リーチ先におけるMRへの評価、期待度

>>> MR活動に対する期待事項と現状評価 (2024.02.14)

定期的にMRにお会いになっていないということですが、ここまでのお話から、MRからの情報提供も重要とお感じになっている印象を受けたのですがいかがでしょうか?

製薬企業への信頼感などはMRの情報提供によってプラス評価になることはありますか?

先生が会っているMRの対応についてはいかがでしょうか?

製薬企業によってMRのレベルは違うと感じられますか?

先生がMRに期待されている点を3つ挙げるとどれになりますか?

チャネル別利用状況まとめ

チャネル 詳細 メディアマインドシェア 必要な情報
インターネットサイト 「The New England Journal of Medicine」などのジャーナルや、医学雑誌など 40% 論文(新薬発売前の薬剤の詳細を確認)
新薬や臨床試験に関する情報、関連するアブストラクト
医療系雑誌 「血液内科」「Blood」などの専門領域向け雑誌 20% 論文、薬剤情報、 EBM
学会誌、学会 各10% 薬剤情報
先輩・同僚の医師仲間 10% 薬剤使用方法への考え方をディスカッション
MR 面談、電話 10% 新薬発売後の有害事象や市販後調査などの情報、他施設の使用状況、副作用コントロールの方法など
インターネット講演会 0% 数例処方の段階で、処方経験のあるさまざまな先生の話を参考にする。
長時間固定されて視聴することは難しいので流し聞き
考察

ラボ編集部より

今回は、定期的にMRから情報収集を行っていない(=MR未リーチ)の医師2名にお話を伺いました。インタビューでは、お2人とも薬剤の承認前から論文、学会発表を通じて情報収集を行い、承認後には採用可否がすでに決まっていること、製薬企業へ期待しているのは「数例処方」段階における副作用情報を、正確かつスピーディに提供してもらえること、という点が明らかになりました。

定期的にMRと面談していない医師であっても、副作用情報や他施設の状況など、製薬企業しか持っていない情報の必要性は感じており、その点において、MRはなくてはならない存在と医師に認識されていることも、インタビューからうかがえました。

定期的に会えていない医師だからこそ、医師の新薬処方意向や情報収集傾向を把握し、医師のニーズに合わせた情報提供がタイムリーに行えるよう準備しておくことが、処方拡大の要になるのではないでしょうか。

今後

新たな調査項目

MR未リーチ医師は、今回お話を伺った医師と同様、新薬上市前のタイミングで自ら情報を収集しているのでしょうか?次回調査では、MR未リーチ医師が上市前の薬剤情報をどのように収集しているのか、という点について定量データをもとに明らかにしていきます。(2024年8月以降公開予定)

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