MA(メディカルアフェアーズ)部門運営サイトに医師が期待するコンテンツ分野とは?
目次
MA(メディカルアフェアーズ)・MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)による情報提供の認知度
MCI DIGITALは2025年4月、DM白書2025年夏号向けに医師を対象としたアンケート調査を実施し、製薬企業の医療関係者向けオウンドサイトにおけるメディカルアフェアーズ(以下、MA)部門やMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)による情報提供の認知度について調査しました。
その結果、MA・MSLの存在を認知している医師の53.8%が「製薬企業ウェブサイトで情報提供があることを知っている」と回答しました。また、製薬企業ウェブサイト上でMA部門からの情報提供があることを知ったきっかけとしては、「MSLから案内を受けて知った」というケースが最も多く、53.3%を占めていました。
特に注目したい点は、「製薬企業ウェブサイトからのメールで知った」というケースが、「製薬企業ウェブサイト閲覧時に知った」というケースの半分以下であり、「検索結果から知った」というケースとほぼ同程度にとどまっていることです。
オウンドサイト会員向けメール告知が進まない背景
今回の調査結果は、1年前の2024年に実施した際とほぼ同じ傾向でした。
前回はサイト整備段階の企業が多かったことも要因と考えられましたが、1年経過した現在も同様の傾向が見られることから、オウンドサイト会員向けには積極的なメール告知があまり行われていない実態があるのではないでしょうか。
なお、MCI DIGITALが支援している企業では、オウンドサイト会員である医師に対して、メールにて、MA部門主催のWeb講演会の告知やMA部門としての新着コンテンツの告知を実施しています。各社のコンプライアンス方針の範囲内であれば、MA部門主導によるメール告知について検討の余地があると考えます。
また、社内コンプライアンス方針以外に、メール告知が進まない背景として考えられる点を以下に挙げます。
1. サイトを構築したばかりのため、告知活動をMSL経由にあえて限定している。
2. プロモーション活動との独立性を担保するため、既存のメール配信枠を活用できない。
3. MA部門としてデジタルチャネルでの情報提供方針がまだ定まっていない。
4. オムニチャネル推進部門のサポートがMA部門まで行き届いていない。
自社の状況が上記のいずれかに該当するような場合は、MCI DIGITAL までご相談ください。
MA部門運営サイトにおいて充実が期待されるコンテンツ分野
最後に、既にMA部門が運営するサイトを閲覧したことがある医師に対し、今後充実を期待するコンテンツ分野について伺った結果をご紹介します。
回答サンプル数は約600名と多くはありませんが、診療疾患領域ごとに「がん」「生活習慣病」「CNS」の3グループで傾向をまとめました。
領域ごとにコンテンツニーズに若干の違いがあるものの、全体的には、これまで閲覧した情報のランキングと今後充実を期待する情報のランキングが一致している状況です。すでに提供されている情報が医師の有益な体験につながっているものと推察されます。今後のMA部門サイトのコンテンツ拡充検討の参考としていただければ幸いです。
医師版デジタルマーケティング白書2025年夏号では、本記事でご紹介した調査結果以外にも、以下のデータをご覧いただけます。ご興味のある方はこちらからお問い合わせください。
● 医師版デジタルマーケティング白書2025年夏号 「第五章 MA・MSLによる情報提供の認知およびサイトの閲覧状況」
・ MA・MSLの認知率
・ MA・MSLからの情報提供経験、情報提供ニーズ
・ 製薬企業ウェブサイト上でのMA・MSLによる情報提供の認知率
・ 製薬企業ウェブサイト上でのMA・MSLによる情報提供を知ったきっかけ
・ MA・MSLによる情報提供サイト 閲覧経験
・ MA・MSLによる情報提供サイト 閲覧経験 ― 診療疾患領域グループ別 ―
・ MA・MSLによる情報提供サイト 閲覧経験 ― 勤務先施設形態別、新薬処方積極性別 ―
・ MA・MSLによる情報提供サイト 閲覧経験 ― 企業別 ―
・ MA・MSLによる情報提供サイト 最も有益であった企業
・ MA・MSLによる情報提供サイト 閲覧したことのある情報・今後充実を期待する情報
・ MA・MSLによる情報提供サイト 閲覧したことのある情報・今後充実を期待する情報 ― 診療疾患領域グループ別 ―
・ MA・MSLによる情報提供サイト 企業評価への影響
・ MA・MSLによる情報提供サイト 企業評価への影響 ― 診療疾患領域グループ別 ―
(文:河南)
出典
DM白書2025年夏号
調査期間: 2025年4月10日~4月22日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,163名
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