MRとの定期的な面談は医師にとって不要なのか?【DLあり】
リサーチテーマ「MR未リーチ先における、最適なオムニチャネル展開とは?」では、医師への定量・定性調査を通じてMR未リーチ医師のニーズを明らかにしていきます。
本記事では、「MR未リーチ医師が定期的にMRに会っていない理由」についての調査結果をご紹介します。「DM白書2025年春号(ラボ限定設問)」(n=5,136名)の回答を対象にしています。
MR未リーチ医師※1(定期的にMRとの面談を行っていない医師)へ、製薬企業はどのような手段で情報提供をしていくべきなのでしょうか。
これまでの医師インタビューでは、MRに会っていない理由として「MRが不要」という声以外に「定期面談はしていないがMRからの情報は必要」 ※2という声も挙がりました。
本調査では、「MR未リーチ医師が、MRと定期的に会っていない理由」について定量調査を行った結果をご紹介します。
- ※1 「2024年10月~12月末で先生が定期的に取得されていた情報源について、あてはまる製薬企業をすべてお選びください。」で、「MR(面談)」に1社以上選択した医師を「MRリーチあり」、「該当企業はない」と回答した医師を「MR未リーチ」と定義。
- ※2 「MRと直接会って情報提供を受けることが、わたしにとっては大切なことです。」【MR未リーチ医師インタビュー】処方検討時に必要な情報と利用チャネル Vol.3 大学病院 勤務医編、「処方の意思決定にMRは重要だと思います。」【MR未リーチ医師インタビュー】処方検討時に必要な情報と利用チャネル Vol.6 大学病院 勤務医編
目次
調査概要
- ● 設問「MR未リーチ」対象に「定期的にMRに会っていない理由について、最もあてはまるものを1つお選びください。(SA)」
設問 「MR未リーチ」対象に「定期的にMRに会っていない理由について、最もあてはまるものを1つお選びください。(SA)」。選択肢は以下から回答
-定期的に訪問して欲しいが、MRの訪問がないから
-定期的に訪問して欲しいが、自分の求める対応をしてくれるMRがいないから
-必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要だから
-MRの訪問は、定期・不定期問わず不要だから
-その他( FA )
・集計条件
「MR未リーチ医師」を対象に集計
MRと定期的に会っていない医師の45.7%は必要に応じた訪問を希望
MR未リーチ医師が、MRと定期的に会っていない理由を集計しました。
※本記事に掲載されている図表をすべてダウンロードしてご利用いただくことができます。
MRと定期的に会っていない理由として最も多かったのは「必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要だから」で、45.7%でした。次いで、「MRの訪問は定期・不定期問わず不要だから」が38.0%でした。
訪問規制状況および労働時間短縮計画の推進状況は、MRに会っていない理由に大きく影響しない
訪問規制状況※3および労働時間短縮計画の推進状況※4別に、MRに定期的に会っていない理由を集計しました。
※本記事に掲載されている図表をすべてダウンロードしてご利用いただくことができます。
「必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要だから」を選択した層は、訪問規制なし、労働時間短縮計画推進中の比率が高く、「MRの訪問は定期・不定期問わず不要だから」は、訪問規制あり、労働時間短縮計画推進中の比率が高いという結果となりましたが、いずれも大きな差異はありませんでした。
- ※3 設問「先生のご勤務先の施設におけるMRの訪問規制状況についてお教えください。」で、時間規制(曜日や時間帯)/完全アポイント制/完全面会禁止/訪問規制なしの選択肢から回答
- ※4 設問「2024年4月に開始された医師の時間外労働規制について、先生のご勤務先での医師労働時間短縮計画策定状況をお教えください。(SA)」で、計画策定され推進中/計画策定中/計画未着手/計画対象外/わからない の選択肢から回答
「必要に応じた訪問をしてほしい」医師のチャネルマインドシェアは「インターネットサイト」が最も高い
「必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要だから」を選択した層のチャネルマインドシェアは多い順に、インターネットサイト31.1%、次いで講演会(インターネット視聴)17.1%でした。 「MRの訪問は、定期・不定期問わず不要だから」を選択した層のチャネルマインドシェアは多い順に、インターネットサイト40.7%、講演会(インターネット視聴)18.7%でした。どちらもMRリーチありより高い傾向がありました。
- ※5 メディアマインドシェアの活用
- ※6 設問「先生が疾患・薬剤情報を得る際に活用する媒体をお教えください。(数値)』にて全体を100%とした際の各メディアが占める割合(%)の全体平均」(「その他」を除いて算出)
リモート面談経験 定期的にあっていない理由別
※本記事に掲載されている図表をすべてダウンロードしてご利用いただくことができます。
「必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要だから」を選択した層のうち、リモート面談の経験なしと回答した割合は85.5%でした。
- ※7 「2024年10月~12月末に「リモートコミュニケーション」を利用したことのある製薬企業と実施回数をお教えください。(MA、数値)』で、いずれかの企業を選択した医師をリモートコミュニケーションの利用経験が「ある」医師、「該当企業はない」を選択した医師をリモートコミュニケーションの利用経験が「ない」医師として医師比率を集計
医師属性ごとの調査データ
「マルチチャネル派」では、MR未リーチ医師全体が、 講演会(インターネット視聴)を最も多く選択しているなど、医師全体と比較すると医師属性での差異が見られます。詳細は下記ボタンよりご確認ください。
1分でわかる!「データ分析機能」のご紹介
ラボ編集部からのコメント
MRに定期的に会っていない医師の約半数は「必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要」、約4割の医師は「MRの訪問は定期・不定期問わず不要」と考えていることが明らかになりました。
「必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要」「MRの訪問は定期・不定期問わず不要」を選択した医師群は、いずれも他の医師群と比較するとインターネットサイトのチャネルマインドシェアが高く、Web講演会のチャネルマインドシェアが低いという結果となり、効率的に情報入手を行いたい、というニーズの現れとも考えられます。
今後明らかにしていくこと
今回の調査では「定期的にMRに会っていない医師」は「必要に応じた訪問はして欲しいが、定期的な訪問は不要」「MRの訪問は定期・不定期問わず不要」「定期的に訪問して欲しいが会っていない」というパターンに分類されることが明らかになりました。では、その背景には医師のどのような考えがあるのかについて、医師アンケートを通じて明らかにします。(25年7月公開予定)
(文:福崎)
出典
DM白書2025年春号(ラボ限定設問)
調査期間:2025年1月24日~2月3日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,136名
ダウンロード
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