医師が希望する「薬剤情報」×「資材形態」は?【DLあり】
薬剤のプロモーション上、薬剤情報を提供する資材の形態をどこまでカバーすべきか?について頭を悩ませるご担当者も多いのではないでしょうか。もちろん、PDF、紙資材、動画、スマートフォンでも閲覧しやすいWebページなど情報取得のしやすさを考慮してさまざまな形態で資材を用意することも必要だと考えれられますが、資材形態への医師ニーズをつかめていないケースもあるのではないでしょうか。
本記事では、「薬剤情報取得時に医師が希望する情報の種類ごとの提供形態」についての調査結果をご紹介します。「DM白書2025年夏号」(n=5,163名)の回答を対象にしています。
リサーチテーマ「医師ニーズに沿った最適なチャネルの組み合わせとは?」では、医師のチャネル利用について、定量・定性調査を行っています。
前回の調査「処方検討段階ごとに重要視する情報とチャネル別情報とは?」 ※1では、医師のチャネル志向性(MR派、インターネット派、マルチメディア派)が異なる場合でも、各チャネルに求める情報は変化しないことが分かりました。(24年白書冬号)
では、医師が希望する資材形態は、薬剤情報によって異なっているのでしょうか?
今回は、薬剤情報取得時の提供形態について、PDF、紙媒体、動画…どの形で利用したいのかを定量化したデータをご紹介します。
目次
調査概要
- ● 設問1「製薬企業から薬剤情報を取得する際、情報の種類ごとにそれぞれどのような情報提供の形態が望ましいですか。情報の種類ごとに、希望する形態としてあてはまるものをすべてお選びください。」(MA)
医師が利用したい情報提供形態で最も多く選択されたのは「Webサイト」
添付文書や製品情報概要、作用機序などの薬剤情報の種類ごとに、希望する情報提供の形態を聞いたところ、すべての情報においてWebサイトが選択されました。
※本記事に掲載されている図表をすべてダウンロードしてご利用いただくことができます。
添付文書はWebサイト(87.0%)、MRの説明 (38.5%)、作用機序はWebサイト(89.1%)、MRの説明(44.1%)と、すべての情報はWebサイト、MRの説明、紙資材の順となりました。
添付文書の資材形態として最も多く選択されたのはWebサイト/PDF(46.4%)
情報提供形態の詳細別に集計した結果です。
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医師が希望する情報提供の形態TOP3はそれぞれ下記のとおりです。
添付文書 | 作用機序 | 国内使用実績 | ||
---|---|---|---|---|
情報提供の形態 | 1 | Webサイト/PDF(46.4%) | Webサイト/テキスト・画像(30.9%) | Webサイト/PDF(32.5%) |
2 | Webサイト/テキスト・画像(31.5%) | Webサイト/動画(29. 3%) | Webサイト/テキスト・画像(32.4%) | |
3 | 紙資材(27.7%) | Webサイト/PDF(28.9%) | MRの説明/紙資材(20.2%) |
「最も」希望する情報提供の形態を薬剤情報の種類ごとに選択した結果は下記でした。
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「最も」希望する資材形態の選択結果は、「希望する資材すべて」を選択した結果と大きな差はありませんでした。
勤務医は年齢が高い層ほど作用機序、ガイドライン解説、他の医師の処方経験をWebサイト/動画を選択
最も希望する情報提供の形態を薬剤情報の種類ごとに選択した結果を、施設形態・年代別で集計しました。
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GPの医師は、HPの医師と比較して、製品パンフレット、患者向け資材については紙資材を最も多く選択しています。また、HP30代では、すべての情報の種類においてWebサイト/PDFが選択されましたが、HP60代では作用機序、ガイドライン解説、他の医師の処方経験はWebサイト/動画が最も多く選択されるなど、施設や年代ごとの差も見られました。
医師属性ごとの調査データ
チャネル志向性「MR派」では添付文書は紙資材(29.6%)とMRの説明/紙資材(16.2%)が多く選択されるなど、医師全体と比較すると医師属性での差異が見られます。詳細は下記ボタンよりご確認ください。
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ラボ編集部からのコメント
医師が薬剤情報を取得する際に希望する情報提供形態を調査したところ、添付文書や製品情報概要などのいずれの情報も、最も多く選択されたのはWebサイトでした。
添付文書や製品情報概要は、すべての施設・年齢別でもWebサイト/PDFが最も多く選択されています。一方で、資材や医師の施設・年齢などで動画が好まれる場合もあるといった傾向も明らかになりました。
限られたリソースで効果的なプロモーションを行うためには、Webサイト/PDFでの情報提供を中心に、ターゲット医師がより多く希望する形態で情報提供を行う必要があるでしょう。
今後明らかにしていくこと
ここまでの調査で、処方検討段階ごとに必要な情報と、その情報を入手するためのチャネルについて定性・定量調査を行ってきました。本調査結果は、医師のニーズを参考にして「薬剤情報」×「資材形態」を検討する際に活用ください。
今後は、医師が利用するチャネルを選択する理由や、チャネルの組み合わせパターンの定量化を行い、チャネルを連携した情報収集の実態・ニーズを明らかにしていきます。
(25年11月以降公開予定)
(文:中嶋)
出典
DM白書2025年夏号 (ラボ限定設問)
調査期間:2025年4月10日~4月22日
調査方法:インターネット調査
有効サンプル数:医師5,163名
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● 年齢 ● 診療科 ● 診療疾患 ● 施設形態 ● チャネル志向性
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