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医師が評価するWeb講演会5つのポイントとは?

テーマ医師ニーズを満たしたWeb講演会の実施方法とは?
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記事公開日 2026.05.26
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Web講演会は医師と製薬企業をつなぐ主要チャネルになりました。しかし「視聴はされるが、処方判断にはつながらない」企画も少なくありません。本稿では、DM白書2025年秋号「インターネット講演会 役立ち度評価理由」の約3,000件の自由回答分析に基づき、「医師から評価されるWeb講演会のポイント」をまとめました。

背景・目的

コロナ禍以降、Web講演会の数は急速に増加しました。一方で、医師側の「選択眼」も厳しくなっています。医師からは「自社製品のアピールばかりで、医師の臨床判断を支援する内容がない」「他社との違いが不明確」といった声もあり、単なる情報提供だけでは医師の処方行動に影響を与えることは困難です。
医師が本当に必要とする情報は何か? 実臨床での意思決定にどう役立つのか? こうした医師のニーズを正確に把握し、それに応えるWeb講演会の企画が求められます。
そこで、「DM白書2025年秋号」の「インターネット講演会 役立ち度評価理由」(n=2,673名)をAIで分析し、結果をまとめました。
本記事は2025年に実施した会員向けリクエスト企画を参考に作成しています。

目次

詳細

医師が評価するWeb講演会の5つの要件

医師から一貫して求められるのは、臨床の意思決定を前に進める「具体性」と「根拠の結び付け」です。

患者像の想起につながる症例ベースの情報提供

患者プロファイル別(年齢、腎機能、合併症など)の使い分け、用量調整、併用・スイッチ、中止/再開の判断基準を症例ベースで具体化し、「この患者さんならどうするか」という現場の問いに直結する内容が高く評価されました。

(カッコ内:最も処方判断に役立った製薬企業 診療科 診療疾患(最も専門)/診療疾患がん(最も専門)HP/GP 年代)

ベネトクラクスでの臨床試験情報が参考になりました。急性骨髄性白血病や慢性リンパ白血病例でのベネトクラクスの実際の投与例も、勉強になり、投与を考慮する患者像や副作用、有害事象を考慮した継続投与が分かりやすかったです。

  • (アッヴィ 血液内科 がん/造血器細胞がん(悪性リンパ腫、白血病等)HP 40歳代)

TS-1やアブラキサン、ロンサーフ、リトゴビなどの消化器系抗がん剤が多い。それぞれの臨床試験結果だけではなく、胆道癌の個別化治療など実際の診療の沿った情報があるため、新規投与や2次治療などの選択に役立つ。

  • (大鵬薬品工業外科 がん/胃がん HP 50歳代)

薬剤の効果や副作用についての具体的なリアルデータの提供があった。使用時の注意点、合併症が発生時での対応についての解説も丁寧なものであった。また、在宅療法での使用に打ち手は、患者や家族への説明のポイントがしっかりと提示され、実診療でたいへん役に立った。

  • (アッヴィ 脳神経内科(神経内科)パーキンソン病 HP 60歳代以上)

ラニビズマブBSが適する症例の具体的な投与間隔や投与開始のタイミングなどを学べた。また、スイッチングすべき症例やラニビズマブ以外の方が適する薬剤も、公正に教えて頂いたのが、好感が持てた。

  • (千寿製薬 眼科 加齢黄斑変性 HP 30歳代以下)

デエビゴについて、新規作用機序がもたらす既存の睡眠導入剤との優位性について理解しやすかった.また薬剤をスイッチングする際の推奨用量やその際の具体的方法について理解することが出来た

  • (エーザイ 麻酔科/ペインクリニック 疼痛 HP 50歳代)

慢性疼痛患者さんでは、難治性の疼痛も多く、治療に難渋することも多い。ジクトルテープのインターネット講演会では、実臨床での有用性や副作用など情報が分かりやすかった。

  • (久光製薬 麻酔科/ペインクリニック 疼痛 HP 50歳代)

エビデンスに基づき、実臨床に即した最新情報を

最新の主要試験の対象・結果、他剤比較などガイドラインに即した情報提供が評価されました。

(カッコ内:最も処方判断に役立った製薬企業 診療科 診療疾患(最も専門)/診療疾患がん(最も専門)HP/GP 年代)

最新のエビデンスに基づき,わかりやすい説明を演者からいただいたことと,自社の薬剤のガイドラインにおける位置付けや,それに伴ったガイドラインの解説など臨床医にわかりやすい講演会だった.

  • (第一三共 一般内科/総合診療科 がん/大腸がん GP 30歳代以下)

疾患に関する全般的な解説とガイドラインの説明、マヴィレットやスキリージなど薬剤の作用機序、選択基準、適切な該当症例~病態などの全般的な知識が得られたため、実臨床で役にたつ情報であった。

  • (アッヴィ 一般内科/総合診療科 肝炎 HP 60歳代以上)

国内外の関節リウマチに関する診療ガイドラインを提示し、それぞれのガイドラインにおけるオルミエントの位置付けを解説しながら、演者の実臨床における使用経験を基に具体的な使用方法を教示していただいたことで、使用を開始するきっかけになりました。

  • (日本イーライリリー 一般内科/総合診療科 気管支疾患 HP 60歳代以上)

外用薬の新たな剤型について講演会で詳しく解説していた。実際の現場での使用方法や他剤型との使い分けについても詳細に説明していた。近年のガイドラインに紐づいた情報を発信していた。

  • (マルホ 一般内科/総合診療科 高血圧症 HP 40歳代)

中外製薬のインターネット講演は、最新のエビデンスに基づく薬剤効果や副作用情報、適正使用推進のポイント、実臨床での用量調整や患者背景別の治療選択が詳しく解説され、処方判断の根拠がより明確になり役に立ちました。

  • (中外製薬 一般内科/総合診療科 COPD HP 60歳代以上)

専門性の高い最新情報を効率よく得られ、質疑応答や資料提供も充実しており、診療や治療選択の判断材料として非常に有用です。また、最新データをわかりやすく示してくれ、論文だけでは得にくい開発背景や実地観察を含むエビデンスも得られることが役立ちます。

  • (ノバルティス ファーマ 一般内科/総合診療科 心不全 HP 30歳代以下)

エンザルタミドについてインターネット講演会を視聴した。最新のデータやM1CRPCに対するフォローについて確認した。この情報を元に新規処方を行い現在も治療中である。

  • (アステラス製薬 泌尿器科 がん/前立腺がんHP 40歳代)

安全性と注意事項を運用可能なレベルで

発現時期×頻度×対処のアルゴリズム、モニタリング項目、患者への説明内容などを具体的に解説し、副作用発現時の医師の不安を低減する内容が評価されています。

(カッコ内:最も処方判断に役立った製薬企業 診療科 診療疾患(最も専門)/診療疾患がん(最も専門)HP/GP 年代)

プラリアの他剤からの切り替え方法や、歯科処置の際の判断方法、リクシアナの安全性と有効性、減量基準などが役に立ちました。最近は高血圧の情報もないので、ミネブロの説明が役に立ちます。

  • (第一三共 一般内科/総合診療科 消化器疾患 GP 50歳代)

慢性心房細動患者でのエリキュースの有用性と安全性について説明を受けた。また、特に高齢の低体重の慢性心房細動患者でのエリキュースの安全性(主に出血性合併症について)についても具体的な出血性合併症の発現頻度やリスク要因などが提示されたので具体的にハイリスク症例についてイメージすることができた。

  • (ファイザー 一般内科/総合診療科 糖尿病 HP 50歳代)

講演会では最新の臨床試験データやガイドライン改訂に基づく情報が提供され、薬剤選択や投与開始時の判断に非常に役立った。特に安全性と有効性を実臨床でどう評価すべきかが具体的に解説されており、日常診療での根拠ある意思決定に貢献した。

  • (バイエル薬品 循環器内科 がん/肝臓がん HP 30歳代以下)

院内採用を検討していたオスタバロの有用性と安全性についてインターネット講演会でオピニオンリーダーの講師がわかりやすくはなしてくれたおかげで院内採用を決定できたこと

  • (帝人ファーマ 整形外科 疼痛 GP 60歳代以上)

見やすさ、分かりやすさに配慮した理解度促進のための工夫

表やフロー図の提示や、簡潔なまとめ方など、「見やすさ」「理解しやすさ」に配慮した内容は医師からの信頼を獲得できます。

(カッコ内:最も処方判断に役立った製薬企業 診療科 診療疾患(最も専門)/診療疾患がん(最も専門)HP/GP 年代)

ジャディアンスの新規処方の際に、具体的な患者像の説明や、投与判断に関するフローチャートの提示、また腎機能低下スロープの改善効果などエビデンスに基づくものが多く何がメリットなのかがわかりやすかった。

  • (日本イーライリリー 一般内科/総合診療科 高血圧症 HP 30歳代以下)

診療ガイドラインに基づいて病態の理解、診断の重要性、治療フローチャート、新規薬剤の作用機序、位置づけ、使用方法、副作用について具体的かつ実践的に情報収集することができた。

  • (ブリストル・マイヤーズ スクイブ 循環器内科 心不全 HP 60歳代以上)

ほかの会社にくらべて親切で非常にわかりやすいスライドであり、また患者さんにむけたわかりやすいパンフレットをつくっていることに非常に好感をもった。また他社製品との違いが分かりやすかった。

  • (久光製薬 整形外科 骨粗鬆症 HP 30歳代以下)

製薬の情報提供のみに留まらず、一般的なガイドラインのフローの確認など趣向を凝らした内容のものが多く役に立つ。また演者の種類も他社と比べてバリエーションに富んでいるように感じる

  • (MSD 麻酔科/ペインクリニック 疼痛 HP 30歳代以下)

配信品質やオンデマンド配信、Q&A集、事後フォローなどの運営品質も評価

オンデマンド配信、ダウンロード資料の提供、音声の聞きやすさ、十分なQ&A、事後フォローなど環境要因も医師の評価を高める要素として評価されました。

(カッコ内:最も処方判断に役立った製薬企業 診療科 診療疾患(最も専門)/診療疾患がん(最も専門)HP/GP 年代)

最新治験結果やガイドライン改定点が解説され、質疑応答とアーカイブ閲覧で疑問点を解消し臨床に即活用。オンデマンド配信で時間を選ばず復習でき、資料DLや講演前後の薬剤情報リンクも連携し意思決定を支援

  • (第一三共 心療内科 うつ GP 30歳代以下)

主要臨床試験のデザイン、主要評価項目(p-value、NNT/NNH)をスライドで詳細に解説。適応別比較表や用量・用法の推奨フローチャートをPDFで即ダウンロードでき、処方検討会議でそのまま資料化できた。領域を代表するキーパーソン(KOL)が「実臨床での患者背景別治療選択」を講演。ライブ中にチャットで質問可能、講演後にまとめられたQ&A集がオンデマンドと併せて配布され、疑問点をクリアにできた。

  • (第一三共 循環器内科 心不全 HP 40歳代)

ベーリンガーのインターネット講演会は、製品や研究開発に関する最新情報を定期配信することで、医療従事者の知識を常にアップデートできます。オンラインセミナーや専門家による講演会、資料のダウンロード機能が充実しており、忙しい日常でも効率的に学べる点が特に有益です。また、フォーラムやQ&Aセクションを通じて、リアルタイムで疑問を共有・解決できる環境も整っており、コミュニティとしてのつながりも強化されています。

  • (日本ベーリンガーインゲルハイム 腎臓内科 慢性腎症 HP 40歳代)

製品が多く、非常にわかりやすく解説してある。Q&Aがあるため質問がしやすく、レスポンスが早い。アフターフォローもしっかりしており、資料の提供もありわかりやすく教えてくれる

  • (アストラゼネカ 外科がん 胃がん HP 50歳代)

担当者から、インターネット講演会に関しての情報について、事後に詳細なフォローであるとか、関連の情報などが、比較的迅速に情報提供がなされるため、講演会の内容を忘れないうちに、より印象深くなる。

  • (小野薬品工業 一般内科/総合診療科 血栓症 HP 60歳代以上)

専門医による最新の知見の共有:各領域の第一線で活躍されている専門医の先生方が登壇し、疾患の診断・治療に関する最新の知見やガイドラインの解説をわかりやすく説明されており、日常診療にすぐ活かせる内容でした。
領域別のテーマ設定:糖尿病、アトピー性皮膚炎、関節リウマチなど、各疾患に特化した内容で、専門的な情報に集中できた点も非常に良かったです。特にデュピクセントに関連するアトピー性皮膚炎や喘息の治療戦略については、患者ごとの適応判断に直結する内容でした。
オンデマンド配信による視聴の柔軟性:リアルタイムでの視聴が難しい場合でも、後日オンデマンドで視聴できる点は非常に助かりました。繰り返し視聴できることで、理解を深めることができました。
講演後の資料提供:スライド資料や要点まとめなどが提供されることもあり、内容を振り返りながら診療に役立てることができました。

  • (サノフィ 耳鼻咽喉科 アレルギー疾患 GP 30歳代以下)

参天製薬のインターネット講演会は,最新の知見やガイドラインのアップデートを専門医の視点からわかりやすく解説してくださるため,日常診療に直結する内容が多く,非常に参考になります.特に,症例を交えた解説や治療戦略の組み立て方,薬剤の使い分けに関する具体的な話が印象に残ります.オンデマンド配信も活用しやすく,診療の合間に診療できる点もありがたいです.今後も継続的に参加したいと思っております.

  • (参天製薬 眼科 加齢黄斑変性 HP 30歳代以下)
考察

医師の処方行動変容を促すWeb講演会設計を / ラボ編集部コメント

本分析で明らかになったのは、患者や医師を中心においたコンテンツ設計が、処方決定を左右する要素だという医師の声です。患者プロファイル別の症例ベース情報、ガイドラインに紐づいたエビデンス、副作用発現時の対処アルゴリズム、理解促進に配慮した図表、そして事後フォローの充実が評価されました。

製薬企業のWeb講演会では、自社製品の優位性と同時に、医師が目の前の患者さんとどう向き合うかという臨床課題を解決する情報提供が求められています。オンデマンド配信やQ&A対応など、運営品質の向上も差別化要因となっています。

各社のコンプライアンスにより実現が難しい取り組みもあります。しかし医師からは各社の創意工夫と継続的な改善努力に期待を寄せています。

「DM白書2025年秋号」では、本稿で紹介した「インターネット講演会」に加え、「製薬企業ウェブサイトの役立ち度評価理由(約1700件)の自由回答結果もご提供しています。 DM白書2025年秋号ご購入企業様はマイページよりダウンロード可能です。 ご購入希望の企業様はこちらからご連絡ください。
(文:松原)

出典

DM白書2025年秋号
設問:前問(製薬企業が運営する「インターネット講演会」について、最も処方判断の役に立った製薬企業)でお選びいただいた、最も処方判断の役に立った製薬企業で運営する「インターネット講演会」についてどのような点やどのような情報が処方判断の役に立ったか、できるだけ具体的にご記入ください。』

期間:2025年7月15日~7月28日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,145名

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