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【リモート面談 CASE02】製薬会社とのリモート面談の利点と課題

記事公開日 2023.08.04
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記事公開日 2023.08.04

取材日:2023年3月

病院の消化器内科でご勤務されているS先生に、リモート形式での面談についてのお話を伺いました。S先生自身はコロナ禍をきっかけにリモート形式の面談を活用されています。リモート面談の利点と課題、また、今後より良くしていくために製薬会社に期待している解決策についてお伺いしました。

目次

MRとのリモート面談状況

(1) MRとの面談状況

現在は週に1回の頻度で月4社程度と面談をしており、担当MRとの面談がほとんどです。病院側が対面面談を推奨しておらず、説明会以外は基本的にリモート形式での面談です。

わたしは「対面1:リモート9」の割合でMRと面談するのが丁度良いと考えております。薬剤の情報提供はリモートでも問題ないと考えているものの、リモートのみにしない理由として、医療機器についてはMRからの説明だけでなく、実際に手に取ることで不明点が解消されるためです。

リモート面談には慣れましたが、始めたころは画面に向かって話すことに気恥ずかしさを感じていました。画面共有機能を利用すれば資料も見やすいため不便を感じません。リモート面談環境はプライベートのiPadを利用しており、起動も早く画質も問題ありません。

リモート面談であれば以前のようにMRを待たせることもなく、遅い時間に面談を行うこともありません。Web講演会の案内などの5分程度で終了する面談もありますが、リモートだからこそ気軽に話を聞くことができて良いと思います。働き方改革が推進されている風潮を考えても時代の流れに合っているのではないでしょうか。

(2) リモート面談の内容

リモート面談の内容は新薬の情報提供と継続的に処方している薬剤の使用状況に関するヒアリングが大部分を占めています。わたしの勤務先は分院のため、基本的には本院で採用された薬剤についての特徴などの情報提供をMRから受け、その1、2か月後にMRから使用可能になったという連絡が来ます。そのため、リモート面談でわたしに新薬の処方意思決定を突然打診されることはありません。

(3) 院内での薬剤説明会に関する面談

そのほかに、わたしがマネジメントしている製薬会社による院内説明会に関する調整でMRと面談を行っています。説明会を聴講する人数が多く部屋で聴講できる人数に限りがあるため、部屋で直接聴講する形式と医局の各人のPC等で聴講するリモートのハイブリッド形式でおこなっています。そのため、目の前で説明を聞いている方もいれば、医局から聴講している方もいます。

リモート面談の不満な点

(1) 担当MRとの関係が構築しにくい

新しいMRと一度も対面で会ったことがなく、最初の面談機会がリモート面談の場合、関係が希薄に感じることがあり、関係構築の難しさを実感します。

コロナ禍以前に頻繁に行っていた名刺交換の文化もなくなりつつあり、コロナ禍以降の3年間に会ったことがないMRもいます。ただ、会ったことがないMRからの情報提供でも、情報の受け入れやすさに問題が生じることはありません。

(2) 院内説明会の機材トラブル

院内説明会は対面とリモートのハイブリッド形式で開催していますが、ハイブリッド形式に慣れていないMRが対応に苦労しているときがあります。

対面の場では誰かが必ず説明をしているため伝わらないという懸念はありませんが、リモートだと伝わりづらいことがあります。慣れていない製薬会社のMRだと対応の質に差があり、実際に機材トラブルによって音声や画面共有に不備があったこともあります。

MRと医師という関係上、よほどでない限りは機材トラブルによる対応の質によって付き合いを避けることはありませんが、機材トラブルなどがなく、スムーズな院内説明会を運営できることが望ましいと思います。

理想的なリモート面談

情報提供の内容は簡潔に整理して欲しいです。MRから伝えたいことはあると思いますが、受け手からすると情報が詰め込まれてしまうことで受け取れきれないことがあります。時間も限られているため核となることから話してもらわないと、個々のアジェンダでは有益な内容でも、リモート面談全体としてわかりやすかったとは言えません。具体的に挙げると、予め15分、30分といった形で面談時間を設定し、アジェンダは2つまで。この形がわたしにとってはもっともわかりやすいリモート面談の形式です。わたしはPCではなくiPadでリモート面談を行っており、リモート面談のための準備も手間なく行えるため、5~10分程度の短時間でも構いません。

医師それぞれリモート接続の環境は異なると思います。わたしのようにiPadで行う方もいれば、医局のPCで行う方、個室にPCを運んで行う方、移動中にスマートフォンで行う方もいらっしゃるかもしれません。

個々のリモート接続環境に応じて面談内容が工夫されていると、内容が頭に残りやすく有意義な面談だと感じます。今後リモート面談をより活用していくためには、面談内容に加えて、MRが担当医師のリモート接続環境についても配慮できると良いのではないでしょうか。

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