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課題を見つける 医師の声から 医師の本音 【MR未リーチ/面談希望派】医師の声から探る、オムニチャネル活用と今後の情報提供の在り方 Vol.1 大学病院 勤務医編

【MR未リーチ/面談希望派】医師の声から探る、オムニチャネル活用と今後の情報提供の在り方 Vol.1 大学病院 勤務医編

テーマ【MR未リーチ 面談希望派】への最適なオムニチャネル展開は?
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記事公開日 2026.01.27
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取材年月:2025年7月

DM白書ラボでは、MRと定期的に会っていない医師を3つのタイプに分類し、医師ニーズや情報収集方法について深堀調査を行っています。
本記事では、「MRと定期的に会っていないが、MRと面談したい」と考えている大学病院消化器内科のT先生に、情報収集の実態とMRや製薬企業に期待する情報提供の在り方についてお話を伺いました。

背景・目的

「MRと定期的に会っている理由、会っていない理由」※1の調査では、定期的にMRと面談していない医師は全体の56%であり、そのうちの5.5%が「MRには定期的に訪問して欲しいが会っていない」と回答しました。
今回は、MRと面談を希望しているが面談していない、【MR未リーチ/面談希望派】T先生に、新薬情報の入手方法やMRに求めること、オムニチャネル時代の情報収集の実態について伺いました。

目次

詳細
  • ● 大学病院勤務医であるT先生は、医薬品情報の収集にあたり、医療系ポータルサイトや論文、KOLのSNSなど複数のチャネルを活用している。疑問点の解消やタイムリーな情報入手のために、MRからの直接的な情報提供にも価値を感じている。
  • ● 処方検討の各段階では、論文やガイドライン、医療系ポータルサイト、MR、KOLの解説動画など多様なチャネルを活用しながら情報収集を行う。
  • ● MRとの面談ニーズはあるが、MRと面談していない背景には医局の雰囲気が影響。MRからの情報が必要な場面でも、気が引けてしまい自分から連絡したことはない。
T先生プロフィール
施設形態
大学病院
診療科
消化器内科(胆道、すい臓)
年代
30代
訪問規制情報
完全アポイント制
新薬の処方意向
新薬は治療にメリットがあれば処方を検討
処方権限
検討の候補を決める立場

オムニチャネル活用の実態:複数チャネルで情報収集、MR面談は今後増やしたい

T先生の、専門領域の新薬情報収集時の情報源の割合と、利用状況は下記のとおりです。

【大学病院 消化器内科(胆道、すい臓)T先生】専門領域の新薬情報収集時の情報源の割合と、利用状況

新薬情報の収集時、どのような情報源を利用されていますか?

さまざまなチャネルから情報を集めています。例えば医療系ポータルサイトはm3とHOKUTOを活用しています。m3では、専門領域外の情報も含め幅広くチェックし、薬剤基本情報やWeb講演会も視聴します。HOKUTOは実臨床で計算ツールを使ったり、化学療法の情報を参照したりしています。また、製薬企業サイトは、医療系ポータルサイトで気になった情報を処方時に確認する際に利用します。Web講演会より図解が分かりやすいこともありますし、患者向け資材を確認して問診の参考にしたりしています。

医療系ポータルサイトや製薬企業サイト以外の情報源については?

論文はPubMedで探すことが多いです。また、KOL(キーオピニオンリーダー)の先生方のSNS(X/旧Twitter)も参考にして、幅広く情報収集を行っています。

Web講演会はどのように活用されていますか?

KOLの先生によるWeb講演会をよく視聴しています。薬剤の概要や臨床試験結果、また演者の先生が実際に薬剤を使った際の感触など、実践的な情報を得られる点が良いと思っています。

MRからはどのような情報を得ていますか?

薬剤について気になる点や疑問があればMRに確認します。現在MRと定期的な面談はできていませんが、もっと面談の機会が増えれば良いと感じています。MRとは双方向のコミュニケーションができるので、直接話せるメリットは大きいです。面談中は、自社製品だけでなく、他剤のメリットがある場合は率直に教えてくれるので信頼感があります。

MRから他施設の処方状況などの情報を得る機会は?

論文化されていればデータをもらえますが、他施設の処方状況を具体的に示されたことはあまりありません。

処方検討の各段階における情報収集とオムニチャネル活用 すべての処方検討段階で情報収集していて、特にKOL医師や論文からの情報が重要

処方検討段階を(1)薬剤の情報を収集している(2)既存薬と比較検討している(3)数例の処方をしている(4)処方選択肢の一つとして処方している(5)(あるケースについては)最優先で処方しているの5段階に分けていますが、違和感はございますか?

特にありません。

処方検討段階

先生は薬剤の承認前後のどのタイミングから情報収集を始められますか?また、新薬が発売された際、ご自身が使えると判断した場合、すぐ処方しますか?それとも周囲の状況を見てから処方しますか?

専門領域の薬剤については、承認前から情報収集を始めるようにしています。自分が施設で最初に使用する場合でも、特に抵抗はありません。

「薬剤の情報収集をしている」段階では、どのような情報収集を行っていますか?

この段階で必要なのは、論文や作用機序などの薬剤基本情報です。論文については海外文献をPubMedで探すことが多いです。作用機序は論文に記載があればそこから確認しますし、学会やKOLの先生から情報を得ることもあります。

「既存薬と比較検討している」はどうでしょうか。

作用機序、効果、安全性といった薬剤の基本情報や臨床試験結果、ガイドライン、KOL医師の解説動画などが必要です。効果や安全性のデータは製薬企業サイトや医療系ポータルサイトから取得していますが、MRからも情報を得られるとありがたいです。臨床試験結果は主に論文からですが、時間がないときはMRに情報提供をお願いすることもあります。ガイドラインは学会のものをインターネットで確認しています。

この段階で既存薬の情報を改めて調べることはありますか?

はい。既存薬に新しい情報やアップデートがあれば、その都度、調べ直します。

「数例の処方をしている」ではどうでしょうか?

市販後調査結果、エリアの処方状況、KOL医師の解説動画が主な情報源です。特に実際の使用感を知りたいという気持ちが強いです。エリアの処方状況はそれほど重視しませんが、どの程度使われているかは気になります。市販後調査の結果はMRから得ることが多く、他施設の処方状況は知り合いの先生やMRに聞くことが多いです。また、臨床上の疑問もMRに質問します。KOLの先生の考えも参考にするので、製薬企業主催の講演会動画を視聴したり、エリアで開催の場合は現地で参加することもあります。

「処方選択肢の一つとして処方している」ではいかがでしょうか?

「数例の処方をしている」ときと同じ情報が必要です。処方に慣れてきて、効果や安全性も把握できてきますので、情報収集の頻度は落ち着いてきます。

「最優先で処方している」ではいかがでしょうか?

ガイドライン、エキスパート医師の意見、論文が重要です。ガイドラインやKOLの先生の意見を改めて確認し、収集した情報と自分の使用感を合わせて第一選択薬にするかどうかを判断します。論文も承認前・承認後で参考にするものが異なるため、この段階でも引き続き論文を確認しています。

【大学病院 消化器内科(胆道、すい臓)T先生】処方検討段階ごとに必要な情報とチャネル

オムニチャネル時代におけるMRと「会わない」理由、面談への期待

1年間で何社のMRと面談されていますか?

現在、面談しているのは1社のみです。

先生がMRと面談する機会が少ないのは、どういった理由からでしょうか?

わたしの勤務する大学病院の医局では、MRの訪問自体をあまり歓迎しない雰囲気があります。そのため、積極的にMRの訪問や説明会、個別アポイントを受ける機会が少なくなっています。ただ、薬剤部にはMRが来ていますし、外勤先の一般病院ではMRと話すことができています。

MRからの情報提供にはどのような期待をお持ちですか?

MRには自分が知りたい情報をタイムリーに、簡潔に提供してもらえることを期待しています。特に、既存薬との比較検討や新薬の処方を検討する段階では、MRから情報提供があると、自分で調べる手間が省けてとても助かります。また、MRは双方向のやり取りができ、疑問点をその場ですぐ解決できるメリットがあります。現地開催の講演会などはMRからの案内がないと分からないこともあるので、そういった情報提供もあると助かります。

MR面談に対する考え方は、ご自身の経験や勤務先によって変化しましたか?

はい。以前、特殊な薬剤を院内で導入する際に、スタッフ教育や他施設の導入事例など、製薬企業のサポートがとても役立ったことがあり、経験年数が増えるにつれて、面談への考え方も変わりました。

現状、MRに情報提供を依頼する際に感じるハードルはありますか?

自分からMRに連絡するのは少し気が引けてしまい、MRが訪問してきたときやメールが届いたときに依頼することがほとんどです。LINEのような、普段使い慣れたツールがあれば、もっと気軽にMRとコンタクトが取れると思います。メールだと少しハードルが高いですね。

製薬企業のサイトに、チャットボットなど必要な情報をタイムリーに得られる機能があれば活用したいと思いますか?

似たようなサービス(m3の「MR君」)は使ったことがありませんが、有用なツールだと思います。

MRに会うことで営業をかけられる懸念はありますか?

今関わっているMRは、公平で公正なデータを迅速に提供してくれるので、そのような心配はありません。

先生がMRからの情報提供を期待するタイミングはいつでしょうか。

薬剤が承認された時や発売された時、また施設で使用できるようになったタイミングでMRから情報があると非常に助かります。特に適応となる患者さんが来たときに、すぐに選択肢として提案できるので、MRからのタイムリーな情報提供はとても重要だと感じます。

考察

ラボ編集部より

本インタビューでは、MRと「会わない」背景には、施設の事情が大きく影響しているものの、医師はMRにタイムリーで的確な情報提供を期待していることがうかがえました。
一方で、製薬企業側は限られたリソースの中で、すべての医師と面談の機会を設けることは難しいのが現状です。
こうした状況下では、製薬企業にとって面談の優先度の高い医師とそうでない医師をタイムリーに把握しておくこと、そして、治療にあたるすべての医師が、「今、情報が必要だ」と思ったタイミングで、迅速にその情報にアクセスできる仕組みを整備していくことが、オムニチャネル時代において製薬企業が取り組むべきことと言えます。

今後

今後解決すべきことは?

医師の情報収集実態やニーズは施設形態や診療科によっても異なると考えられます。次回は、一般病院の精神科医へのインタビュー内容をご紹介します。(2026年以降公開予定)
(文:松原)

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