【MRからのメール CASE03】医師が期待するMRからのメールコミュニケーション
取材日:2023年3月
内科・循環器内科・消化器内科としてクリニックを開業されているK先生に、MRとのメールのやり取りについてお話を伺いました。開封しないメールもあるなかで、先生ご自身が有益だと感じるメールの内容はどんなものなのでしょうか。
MRとのメール頻度
面談を行う製薬会社が月間20社ほどあり、現在メールでやり取りしているMRは5~6人(5~6社)ほどです。
メールをチェックするタイミングは、朝の診療準備や診療の合間です。ただし、MRからのメールは緊急度が低いことが多く、すべてのメールを開封するわけではありません。
メールの件名で「今読まなくてもよい」と感じるものや、用件がプロモーションのみの場合は、開封しないケースがほとんどです。
一方で、期限が記載してあるメールや内容に思い当たることがある場合や、参加予定の講演会案内で添付資料がある場合にはメールを開封します。
MRは「メールが開封されなくても仕方ない」と思いつつ、多くのメールをわたしに送っているようです。製薬会社によっては「メール送付数」「開封数」などのノルマが課せられているケースもあるようです。過去には一度に20通ほどメールを送り、「とりあえず開封してください」と依頼してきたMRもいました。
メールの内容(コンテンツ)
メール以外からでも得られる情報が多いため、コンテンツ付メールに対してはあまり重要性を感じていません。
MRからは、アポイントの依頼や、わたしの専門領域に関連したファイルなどさまざまなメールが届きます。動画コンテンツのバナーをメールで送付してくる製薬会社は2社ほどありますが、動画コンテンツについては、見たいと思えるものを自分で探して視聴することが多いため、MRからメールで紹介されても視聴することはほとんどありません。
(1) 有益だと思えるメールの内容(コンテンツ)とは
医師全体に向けた情報より、わたし個人が興味を持てる情報をMRがピックアップしてメールで案内してくれているものは有益と感じますが、そのようなメールは、受信しているMRからのメール全体の1割以下です。
わたしの場合は、「病診連携」に関する講演会情報をメールで受け取ると大変ありがたいと感じます。
また、わたしが信頼している先生の講演について「ハイブリッド型※1の講演なので、オンラインでも視聴できますよ」といった情報をMRから案内があると非常に助かります。
※1 Web/リアル講演会を会場で実施すると同時にオンライン参加者向けに配信も行う形式。
(2) 読みやすいメール文章とは
ほとんどのメールが不必要に長文であると感じます。例えば、「いつも大変お世話になっております。先日はどうも…」と、長い挨拶から始まると、わたしとしては読む気が起こりません。
長い挨拶よりも、「前回話した内容」「それを裏付ける動画コンテンツの紹介」など、端的に要点が書かれたメールの方が、中身をしっかりと読むと思います。
MRからのメールに期待すること
(1) MRと医師の関係構築
MRと医師がメールでやりとりするためには、前提としてMRと医師との関係構築が重要です。関係性が希薄なMRの場合、メールを読もうと思わないためです。
例えば、MRの担当変更をきっかけに、これまで開封されていたメールが開封されなくなった、または医師から返信が来なくなった場合、MRと医師の関係性があまり良くないサインかもしれません。
インターネット上に医療情報が溢れている現在、MRがプロモーションする理由は、医師とMRとの間で関係を構築できるからではないでしょうか。
(2) 学会の地方会情報
製薬会社からは情報提供しづらいかもしれませんが、わたし個人としては、メールで地方会レベルの学会情報の共有があるとありがたいです。わたしは東海エリアに属していますが、東京・神奈川エリアが近いため、関東地方会の情報も入手したいと考えています。しかし、自分自身で情報を集めることが困難な状況にあります。MRは全国の地方会情報を把握している点が強みだと思いますので、わたしの興味のある東京や神奈川近辺の地方会に関する情報提供があると大変ありがたいです。