面識のないMRとの、リモート面談のきっかけと感想・リモート面談をしない理由【DLあり】
医師と製薬企業の間でリモート面談が進んでいない現状を背景に、医師のリモート面談経験とその意見を調査しました。本記事では、リモート面談を利用している医師のきっかけや感想、また利用していない医師の理由を明らかにします。
DM白書の調査では、医師のリモート面談経験は2024年から20%台と横ばいです※1。
本記事では、医師のリモート面談の利用状況を把握し、医師のニーズを満たすリモート面談について考察します。
※記事内の図表およびすべての医師コメントは、ダウンロードファイルで確認いただけます。
目次
設問内容と集計条件
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● 設問「面識のないMRまたはリモート専任MRと、リモート面談をしたことがありますか?
リモート面談をしたことがある場合はそのきっかけと感想を、リモート面談をしたことがない場合はその理由を教えてください。」(自由回答)の回答内容を集計
● 集計条件
面識のあるMRとの経験ありなどの無効回答は集計から除外。
調査期間:2025年7月17日~7月22日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師181名
設問「面識のないMRまたはリモート専任MRと、リモート面談をしたことがありますか?リモート面談をしたことがある場合はそのきっかけと感想を、リモート面談をしたことがない場合はその理由を教えてください。」(自由回答)
リモート面談の現状と目的:リモート面談経験ありの医師は43.1%
面識のないMRまたはリモート専任MRとの、リモート面談経験の有無を集計しました。
リモート面談経験ありの医師は43.1%、リモート面談経験なしの医師は56.9%でした。
リモート面談のきっかけ:医師が面識のないMRとのリモート面談を行った理由
リモート面談経験あり医師の、「リモート面談を行ったきっかけ」を分類して集計しました。
リモート面談を行ったきっかけは、「MRからの依頼」が最も多く、次いで「コロナ禍の影響」や「知りたいことがあった」でした。
リモート面談の感想:医師の意見から見るリモート面談のメリット・デメリット
リモート面談経験あり医師の、「リモート面談を行った感想」を分類して集計しました。
「リモート面談を行った感想」は、プラス意見とマイナス意見に二分されました。プラス意見では「良かった」「今後も利用したい」という声が37.2%を占め、マイナス意見には「利用したくない」「メリットなし」などが挙げられました。
【リモート面談経験あり】きっかけと感想 医師のコメント(抜粋)
「面識のないMRまたはリモート専任MRとリモート面談をしたきっかけ、リモート面談の感想」の医師コメント(抜粋)は以下です。コメント全文はダウンロードデータをご確認ください。
●新薬の情報を仕入れたくて、病院担当のMRと面識がなかったのでメーカーHPの問い合わせフォームに連絡しました。時間調整が難しかったのでリモートで行いました。はじめは違和感を感じましたが、慣れてくると時間調整も簡単で最近は面談の半数はリモートです。
- (国公立病院 肝臓内科 40代)
●面識のないMRまたはリモート専任MRと、リモート面談をしたことがあります。生活の中でリモートアクセスを使用することが増えているので、特に違和感はありません。きっかけは担当MRに勧められたからでした。
- (その他の病院(国公立以外の病院) 呼吸器内科)
●コロナ禍で直接の面談ができない時に一度だけリモート面談をしてことがあります。直接面談と異なり、事前のセッティングに時間がかかり、さらに通信環境の影響も受けてしまいます。直接面談だとちょっと待っててくださいなど時間も融通が効きますが、時間に縛られる感じが強かったです。2度としない、面倒臭いという感想を持ちました。その後はリモートで面談を行うことはなくなりました。今後もリモートでの面談はしないと思います。
- (国公立病院 消化器外科(胃腸外科) 60代)
ダウンロード資料では本記事で紹介している図表および、面識のないMRまたはリモート専任MRとリモート面談をしたきっかけ、感想についての医師コメントすべてをご確認いただけます。
リモート面談未経験者の理由:医師がリモート面談を避ける理由とは
リモート面談経験なしの医師の、「リモート面談をしたことがない理由」を分類して集計しました。
リモート面談をしたことがない医師の主な理由は、「院内環境が整っていない」が19.4%と最も多く、続いて「時間が拘束される」が14.6%でした。その他にも操作の難しさや、対面の方が良いという意見が挙がりました。
【リモート面談経験なし】理由 医師のコメント(抜粋)
リモート面談経験なしの医師の、「面識のないMRまたはリモート専任MRとリモート面談をしたことがない理由」の医師コメント(抜粋)は以下です。コメント全文はダウンロードデータを確認ください。
●リモート面談をする時間が取れないことと、それに代わるべき情報ソースが多く存在している。問い合わせの多くは、メールで済ますことが可能であり、リモート面談で煩わす必要がない。詳細の情報交換が必要であれば直接面談を依頼する。
- (診療所・クリニック 整形外科)
●リモート面談はしたことがないです。理由については、ややパソコンの操作が苦手であり、設定するのにわずらわしさをかんじるからです。また、対面面談のほうが、より相手の表情もわかりやすくスムーズに相談ができるからです。
- (その他の病院(国公立以外の病院) 一般内科/総合診療科 60代)
●リモート面談は今後もするつもりはありません。医局で他の先生がいるところで、パソコンに向かって話すのは、やはり抵抗があります。会議で一方的に聞いてるのならいいのですが。それに、リモートMRって大概、会社の方針で懇願されるだけなので、こちらにメリットはあまりないと思っています。
- (その他の病院(国公立以外の病院) 脳神経外科 50代)
●リモート面談をしたことがない理由:直接MRと話したほうが、お互いの疎通が取りやすい。一緒にパンフレットを供覧して説明をしていただいたりできます。リモートは、固い面会になってしまう傾向があり抵抗があります。
- (大学病院呼吸器内科 30代)
●リモート面談をしたことがない。当院は田舎の病院であり、リモート面談という概念さえ存在していないように感じる。医師が少ない事もあってか、皆忙しく、30分間のみ医師を集めて、直接MRとやり取りする事がある。
- (その他の病院(国公立以外の病院) 一般内科/総合診療科 30代)
ダウンロード資料では本記事で紹介している図表および、面識のないMRまたはリモート専任MRとリモート面談をしたきっかけ、感想についての医師コメントすべてをご確認いただけます。
ラボ編集部からのコメント:リモート面談の普及に向けた課題と製薬企業への提案
本調査から、医師のリモート面談経験は4割程度にとどまり、未経験の医師が多数派であることがわかりました。リモート面談のきっかけはMRからの積極的な提案が中心で、実際に利用した医師からは「効率的」「情報収集に便利」といった前向きな声も多く挙がっています。一方で、「院内環境が整っていない」「操作が煩雑」「既存の情報源で十分」といった理由から、リモート面談を必要と感じていない医師も少なくありません。
今後、製薬企業がリモートMRを医師のニーズに合わせて活用するためには、初回ハードルを下げるサポート体制の充実、ITリテラシーに左右されない簡便な仕組み作り、そして一律ではなく医師ごとの最適なチャネル提案が不可欠です。リアルとリモートを柔軟に使い分けながら、医師にとって価値ある情報提供・関係構築を目指すことが、リモート面談定着のカギとなります。
ダウンロード資料では、180名の医師の回答コメントを掲載しています。リモート面談のきっかけや感想、利用しない理由など、医師の生の声を掲載していますのでぜひ参考にしてください。
※当社基準で掲載不可とした回答コメントは掲載しておりませんのでご了承ください。
今後明らかにしていくこと
次回は実際にリモートMRを活用している企業の事例を紹介していく予定です。(2026年以降公開予定)
(文:福崎)
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