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課題を見つける 医師の声から 医師の本音 【MR未リーチ/面談希望派】医師の声から探る、オムニチャネル活用と今後の情報提供の在り方Vol.2 一般病院 院長

【MR未リーチ/面談希望派】医師の声から探る、オムニチャネル活用と今後の情報提供の在り方 Vol.2 一般病院 院長

テーマ【MR未リーチ 面談希望派】への最適なオムニチャネル展開は?
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記事公開日 2026.04.07
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取材年月:2025年8月

DM白書ラボでは、MRと定期的に会っていない医師を3つのタイプに分類し、医師ニーズや情報収集方法について深堀調査を行っています。
本記事では、一般病院精神科のK先生に、情報収集の実態やMR、製薬企業に求める情報提供の在り方についてお話を伺いました。

背景・目的

「MRと定期的に会っている理由、会っていない理由」※1の調査では、定期的にMRと面談していない医師は全体の56%であり、そのうちの5.5%が「MRには定期的に訪問して欲しいが会っていない」と回答しました。
今回は、MRと面談を希望しているが面談していない、【MR未リーチ/面談希望派】K先生に、新薬情報の入手方法やMRに求めるもの、オムニチャネル時代の情報収集の実態について伺いました。

目次

詳細
  • ● 一般病院で院長を務める精神科医K先生は、m3やCareNet、PubMedなどの医療系ポータルサイトやWeb講演会、海外サイト、同僚とのカンファレンスなどを活用し情報収集。
  • ● MRから得たいのは、自身の実臨床に役立つ情報をMR自身の言葉で資料がまとめられていたり、説明があること。
  • ● 多忙のためMRと面談する時間が限られる医師であっても、「MRくん」でエリア担当から説明があると親近感が湧き、処方につながるケースもある。
K先生プロフィール
施設形態
一般病院
診療科
精神科
役職
院長
年代
50代
新薬の処方意向
新薬は進んで採用・処方を検討
訪問規制情報
完全アポイント制
薬剤の新規採用への関わり
最終決定の場に関与する立場

チャネル活用の実態:情報収集・比較検討段階では論文・治験データを多チャネルで集約

K先生の、専門領域の新薬情報収集時の情報源の割合と、利用状況は下記のとおりです。

【一般病院 精神科K先生】専門領域の新薬情報収集時の情報源の割合と、利用状況

新薬情報の収集方法について教えてください。

m3、日経メディカルOnline、MedPeer、CareNetなどの医療系ポータルサイトを主に利用しています。専門分野を登録しておくと新しい情報が自動で届きます。CareNetは海外治験や論文が紹介されるので毎日楽しみにしています。Web講演会はm3で視聴することが多いです。MedPeerでは添付文書や他の医師の薬剤の使用感も参考にしています。

医療系ポータルサイト以外は利用されていますか?

PubMedで論文をよく見ています。ほかには、海外の医師向けソーシャルプラットフォーム「SERMO(サーモ)」※2で治験開始情報を収集したりしています。また、製薬企業のサイトでは新薬開発状況をチェックしています。

Web講演会の活用状況は?

うつ、統合失調症、認知症など自分の専門領域や興味のある薬剤のものを医療系ポータルサイトや製薬企業サイトで視聴しています。MRからのメールやチラシの二次元バーコード、medパス経由でもアクセスしますが、IDを忘れると諦めることもあります。

学会や学会誌の情報はどう活用していますか?

学会には年2〜3回Webで参加しています。情報はやや古いと感じますが、専門医資格の継続のために利用しています。

  • ※2 医師向けソーシャルプラットフォーム「SERMO(サーモ)」https://support.sermo.com/hc/ja-jp

MR・製薬企業の情報提供チャネルの使い分け

MRからの情報提供についてどう考えていますか?

MRとはなかなか会う時間が取れません。MRからは添付文書や論文化された情報、精神科疾患ごとの有効性や適用患者の情報を受け取ります。リモート面談は時間が拘束される点に負担を感じるため、電話やメールが中心です。製薬企業主催の説明会も活用しています。
例えば、同じ統合失調症であっても、治療方法は患者像によって細かく分かれるので、患者像がクリアにイメージできるような情報がほしいと思っています。

処方検討段階:初期導入時は副作用・有効性を重視し、現場の声も積極的に収集

処方検討段階を(1)薬剤の情報を収集している、(2)既存薬と比較検討している、(3)数例の処方をしている、(4)処方選択肢の一つとして処方している、(5)(あるケースについては)最優先で処方している、の5段階に分けていますが、違和感はございますか?

特に違和感はありませんが、(1)と(2)は同じです。

処方検討段階

薬剤の「情報収集・既存薬との比較検討」の段階の情報収集について教えてください。

必要な情報は論文、非劣性試験の結果、薬剤基本情報(効果・安全性・作用機序)です。薬剤の承認前から情報収集しています。この段階では、PubMedで論文を検索したり、製薬企業サイトで治験段階の情報を確認したりします。また、CareNetで海外治験情報や既存薬との比較データを集めることも多いです。新薬発売間近になると、製薬企業に直接問い合わせて情報を得ることもあります。

「数例の処方をしている」段階ではいかがでしょうか。

この段階で重視するのは副作用と有効性の情報です。論文や添付文書を中心に確認します。Web講演会は、発売直後は少ないですが、少し時間が経つと利用することが増えます。また、同僚や先輩医師、薬剤師、他院の医師や非常勤先のカンファレンスで情報を得ることもあります。
KOL(キー・オピニオン・リーダー)の医師の解説動画を参考にすることもありますが、より参考にするのは実臨床の現場にいる方のご意見です。

「処方選択肢の一つとして処方している」段階ではいかがでしょうか。

この段階でも論文や副作用、有効性の情報を確認しますが、特に患者さんごとの病状の変化を重視しています。Web講演会も参考にします。

「最優先で処方している」段階ではいかがでしょうか。

最も重視するのは患者さんの病状の変化です。ガイドラインも確認しますが、逸脱しすぎないように一応目を通す程度です。

薬剤の減量や多剤併用の情報はどう集めていますか?

薬理学的な視点から判断します。インターネット上には情報が少なく、ChatGPTを利用することもあります。ハルシネーションがあるので内容に注意が必要ですが、このやり方もありじゃないかなと思っています。

【一般病院 精神科K先生】処方検討段階ごとに必要な情報とチャネル

忙しい医師が求めるのはMR自身の言葉によるタイムリーで実践的な情報提供と柔軟なチャネル選択

現在のMRとの面談頻度は?

年1回程度です。院長業務もあり、これ以上は時間が取れません。
とくに施設で禁止しているわけではないのですが、他の医師もMRとあまり会っていないようです。

どのようなタイミングでMRからの情報を受け取りたいですか?

現在は情報が遅く、CareNetなどの方が早く情報を得られます。新薬発売前でも、こちらから製薬企業へ問い合わせれば発売予定などの見込み情報を教えてくれるのですが、可能なら新薬発売が決まった時点で、すぐに情報提供してほしいです。

どんな情報や伝え方をMRに期待しますか?

実臨床上の疑問は主にメールでやり取りしていますが、意図が伝わりにくいこともあります。
以前はMR自身が作成した効果・安全性・薬理学的な内容、エビデンスとなる論文が含まれている実臨床に即した資料を提供してもらっていました。こういった情報提供があると頭に残りやすいです。
紙の資料はメモも取りやすく、いつでも確認できるので助かります。
なかなか面談の時間をとれないので、メール添付や、訪問時に資料を置いて行ってくれたり、郵送で資料を送付してくれたり、といった対応があると嬉しいです。

先生は院長先生という立場ですが、MR面談に求める情報は勤務経験や立場で変化しましたか?

今は院長として経営的な視点を持ちつつ情報収集していますが、必要な情報については大きく変わりません。基礎データや薬価情報は常に必要です。
薬剤以外の情報ですと、以前、医療制度について製薬企業の方から説明会を開いていただいたことがあり参考にはなりましたが、やはり時間がないのでそこまで優先度は高くありません。

今後のオムニチャネルによる情報提供へのご要望は?

始業前や空き時間に医療系ポータルサイトで情報収集することも多いため、「自分のタイミングで必要な情報にアクセスできること」が最も重要だと感じています。
「MRくん」ではエリア担当のMRから情報提供があり、担当MRが自分の言葉で伝えてくれることで親しみやすさが増します。実際、薬剤に大きな差がない場合は、親近感を持てるMRの薬剤を選ぶこともあります。
情報の内容はもちろん大切ですが、チャネルやタイミング、伝え方などにも工夫があると、忙しい中でも理解しやすく助かります。

考察

ラボ編集部より

K先生の話から、現代の医療現場では「MRに会いたい気持ちはあっても、実際には面談の時間が取れない」「必ずしも面談が必要でないケースもある」といった医師のリアルな事情が浮き彫りになりました。
製薬企業には、こうした多忙な医師に対して「MR面談以外でも、必要な情報を自分のタイミングで得られる」環境を整えることが求められます。
具体的には、医療系ポータルサイト、メール、紙資料の郵送など、医師が状況に応じて選べる複数のチャネルを用意し、いつでもアクセスできるようにすることが重要です。
また、画一的な情報提供ではなく、MR自身の言葉でまとめられた、実臨床に役立つ情報が医師の印象に残りやすく、MRへの信頼感、親近感につながることも示唆されました。
情報の伝え方やタイミングにも工夫し、医師の情報収集をサポートする体制を強化するべきでしょう。
一方で、製薬企業にとって面談リソースを割くべきではない医師も存在します。医師のニーズとMR面談リソースの最適化を行いつつ、MR以外の手段で医師の情報収集ニーズに応えられる環境構築が必要です。

(文:松原)



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