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SEOの最新動向・ニュース(2024.09)~Googleが3rd Party Cookie廃止を撤回、OpenAIの検索エンジン『SearchGPT』~

記事公開日 2024.09.19
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記事公開日 2024.09.19

2024年9月のSEOの最新動向・ニュースをお届けします。

目次

Googleが3rd Party Cookie廃止を撤回

Chromeブラウザの3rd Party Cookieの制限に関する方針変更

Googleは2019年に打ち出し、2024年4月に2025年への延期を発表していた3rd Party Cookieの廃止の方針を撤回し、「ユーザーによる選択」を前提に3rd Party Cookieを利用し続ける、と方針を変更することを公表しました。

方針変更の理由

Googleは代替技術としてプライバシーサンドボックスAPIに投資・開発してきましたが、3rd Party CookieからプライバシーサンドボックスAPIに移行するためには多くの関係者による多大な作業が必要であり、広告業界を中心に様々な業界に影響を与えてしまうため、方針変更を余儀なくされているようです。特にChromeブラウザは世界的シェア60%を超えており、与える影響範囲が大きかったということもあるでしょう。

Chromeブラウザ以外の主要ブラウザはすでに3rd Party Cookieを排除

Appleデバイスにおいては3rd Party Cookieを自動的に排除しており、Firefoxなどの主要ブラウザにおいても制限する仕組みが既に実装済みです。Googleが方針変更したからといって3rd Party Cookieを使い続けていいというわけではありません。もし3rd Party Cookieを使用しているのであれば、むしろこの機会にCookieレスを進めるべきでしょう。

製薬オウンドサイトで3rd Party Cookieを利用しているケース

製薬オウンドサイトで考えられる、3rd Party Cookieを利用している可能性があるケースは下記の通りです。もし心当たりがある場合は、製薬オウンドサイトで3rd Party Cookieを利用していないかどうか、確認しましょう。

  • ● 自社管理ドメインだが異なるドメインのため、3rd Party Cookieになってしまっている
  • ● 3rd Partyのツールを使ったWebページ内のコンテンツがある
  • ● 3rd Partyのマーケティングツールを使って外部掲載コンテンツや動画を埋め込んだWebページがある
  • ● Google Analyticsを利用している(設定による)

3rd Party Cookieを利用しているかどうかが不明な場合は、オウンドサイト運営会社へ確認してみましょう。MCI DIGITALでもご相談を承っています。

OpenAIの検索エンジン「SearchGPT」

OpenAI が SearchGPT という検索プロダクトのテストを開始

OpenAI は、AI モデルとリアルタイムのウェブ情報を組み合わせることで検索体験を向上させる、「SearchGPT」のテストを開始しました。現在はクローズドβテスト中ですが、近々オープンβテストを開始するとみられています。

SearchGPTとは

SearchGPT は、従来の ChatGPT のように検索できる LLM※1 ではなく、LLM テクノロジを活用した新しい検索エンジンです。SearchGPTはChatGPTのように応答するのではなく、あくまでも検索結果のみが返ってくるものとなっていますので、チャットボットのような使い方はできません。

  • ※1 LLM とは Large Language Models の頭文字を取ったもので、大規模言語モデルを指します。膨大なテキストデータと高度なディープラーニング技術を用いて構築された自然言語処理技術で、「計算量」「データ量」「パラメータ数」の3つの軸を強化することで、より高度な言語処理を実現しています。

SearchGPTの主な特徴

現在分かっているSearchGPTの特徴は下記のとおりです。

  • ● 3カラム(SeachGPTのナビゲーション・引用元の外部リンクや画像・検索結果の概要)
  • ● カラムの都合から、常に引用元のリンクや画像が表示されている
  • ● AI主導の検索においてはリスト記事から情報を取得するケースが多く、アフィリエイトサイトやアグリゲーションサイト※2が中心となるため、これらのサイトに情報掲載されていることが重要になる
  • ● 最初の検索フレーズに対するフォローアップの質問への対応
    (例:検索「メールマーケテイングの最適なソフトウェア」→フォローアップ「どれが一番安いか?」)
  • ● 検索結果は自動的にローカライズされるため、場所などを指定する必要はない
  • ● 高度な検索クエリが使用可能
  • ※2 「アグリゲーション(aggregation)」とは、集合・集団を意味し、Web上の多くの情報を特定のテーマに沿って集約し、ひとつのプラットフォームでまとめて閲覧できるようにしたサイトのこと。

GoogleのAIによる概要と比較

テスター曰く、SearchGPTはGoogleの AI Overview よりも正確な答えを出しハルシネーション※3を起こしにくいように見受けられるそうです。つまりGoogleよりもOpenAIのほうが正確な回答を用意できるということになります。

  • ※3 ハルシネーション とは AIが事実に基づかない誤情報をあたかも正しい情報かのように生成・出力する現象のこと。

SearchGPT の懸念点

前回の記事※4ではGoogleの「AIによる概要」のメリット・デメリットについてお伝えしました。OpenAIのSearchGPTはGoogleよりもハルシネーションが起きづらいとはいえ、100%正しい情報として検索結果の概要が出力されるわけではありません。
またAIの学習に利用されないように、日本国内外の大手サイトではOpenAIのクローラーをブロックしているケースも多く、本当に求められている情報が正しくユーザーに届けられるのか?という点に懸念が生じています。
SearchGPTで満足な回答を得られた利用者が、引用元のリンクをクリックしてオリジナルを閲覧することはほぼないでしょう。利用者目線では便利になったとしても、その情報を用意するサイト運営側は損するという形になりかねないため、OpenAIのクローラーをブロックするケースはより増えるのではないかと思われます。「AIによる概要」に引用されない方法は、前回の記事※4でご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

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