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DM白書「役立ち度」評価指標とその背景- インターネットチャネル編2 -

記事公開日 2024.05.08
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記事公開日 2024.05.08

取材年月:2023年12月

医師と考える白書データでは、DM白書で示された調査結果への理解を深めるため、医師にインタビューを行い、回答に至るまでの背景や回答結果を踏まえて、製薬会社としてどのような取り組みをするべきかを明らかにしていきます。

今回は、インターネットチャネルの「役立ち度」※1評価指標とその背景についてインタビューを行いました。

※1「役立ち度」は、医師が定期的に情報を入手している製薬企業の情報源(MR、インターネットなど)について、当該企業の情報がどの程度「処方判断に役に立っているか」を、0~10の11段階で評価いただいている指標です。こちらでも解説しています。

H先生プロフィール ・施設形態:クリニック
・専門診療科:循環器内科/内科専門医
・年代:30代

目次

インターネットチャネル「役立ち度」採点結果

製薬企業が運営するウェブサイト、インターネット講演会、医療系ポータルサイトで定期的に情報収集する製薬企業と役立ち度および合格点は下図の通りでした。この結果を踏まえ、H先生にお話を伺いました。

H先生のインターネットチャネル役立ち度評価

製薬企業ウェブサイトへの「役立ち度」評価は、作用機序が掲載されているかどうかが基準

H先生のインターネットチャネル役立ち度評価 製薬企業ウェブサイト

― 「製薬企業が運営する医療関係者向けウェブサイト」の採点理由を教えてください。

― 作用機序を重視されているのはなぜでしょうか

― 専門と専門外では、専門のほうが点が高くなりますか? 例えば先生のご専門が、B製薬さんの薬剤の領域だった場合評価は変わりますか?

― 加点や減点につながるポイントはありますか?

― 製薬企業のウェブサイトの薬剤情報以外の情報や、サイトの使いやすさなどは役立ち度の評価に影響しますか?

― 作用機序を患者さん向けにわかりやすく説明できる動画や資材があると、役立ち度は上がりますか?

― 有効性情報はどのように入手されているのでしょうか

― 副作用情報はどのように情報収集されていますか?

― さきほどのA製薬の薬剤は別の製薬会社さんとのコ・プロモーション薬剤ですが、A製薬のウェブサイトだけを評価しているのはなぜでしょうか?

インターネット講演会の役立ち度は、作用機序の情報提供があるかどうか

H先生のインターネットチャネル役立ち度評価 インターネット講演会

― 「インターネット講演会」での定期的な情報収集はしていらっしゃらない?

― インターネット講演会が「役に立つ」というのはどういう状態でしょうか?

― 加点や減点につながるポイントはありますか?

医療系ポータルサイトからは、専門・専門外どちらの情報も取得

H先生のインターネットチャネル役立ち度評価 医療系ポータルサイト

― 「医療系ポータルサイト」でも、製薬企業からの定期的な情報収集はしていらっしゃらない?

― 医療系ポータルサイトが「役に立つ」というのはどういう状態でしょうか?

時期や処方状況に影響される役立ち度

― 今回は23年10月から12月の期間で評価をしていただきました。期間が異なると役立ち度の評価は変わりますか?

― 処方経験が豊富な薬剤と処方経験がない、または少ない薬剤など、処方状況によって評価は変わりますか?

インターネットチャネルの役立ち度UPのために必要なこと

― インターネットチャネルについて、役立ち度を上げるためには作用機序に関する情報提供が重要というお話ですが、それ以外ではそれぞれどのようなことが必要だとお考えでしょうか?

― ここまでのお話から、製薬企業のウェブサイト、インターネット講演会、医療系ポータルサイトいずれも作用機序情報の取得を目的とされていますが、もっとも役立ち度の評価に影響があるのは製薬企業のウェブサイトでしょうか?

MR⇒インターネット講演会、医療系ポータルサイト⇒製薬企業のウェブサイトなどの、チャネル連携と役立ち度の相関

― 医療系ポータルサイトをきっかけに知った薬剤について、製薬企業のウェブサイトで調べることもある、というお話でしたが、そのほかにも複数の手段で薬剤情報を入手することはありますか?

― MRの活動がウェブサイトの評価にもつながることはありますか?

ラボ編集部より

H先生は、製薬企業のウェブサイト、インターネット講演会、医療系ポータルサイトいずれのインターネットチャネルも、薬剤の作用機序、治験実績といったエビデンスの収集に利用しています。

3つのインターネットチャネルのうち、エビデンスの収集目的で最初に確認するのは「製薬企業のウェブサイト」であり、役立ち度を高めるためには、医師の知りたいこと(H先生の場合は作用機序情報)がきちんと掲載されていることが必須である点が分かりました。

「インターネット講演会」は理解を深める場、「医療系ポータルサイト」は新しい情報を短時間で入手できる場として、インターネットチャネルでも、チャネル毎に利用目的が明確に異なることがうかがえました。

インターネット講演会、医療系ポータルサイトの2チャネルは、定期的にチェックしているものの視聴や閲覧によって製薬企業を意識することはなく、役立ち度評価につながらない、という発言の一方で、インターネット講演会、医療系ポータルサイトで得た情報をきっかけに製薬企業ウェブサイトを訪問するなど、複数のチャネルを行き来して必要な情報を得られることで、どのチャネルの役立ち度も高く評価されることもうかがえました。こういった医師の期待に応えるため、チャネル間で連携して情報提供を行うことも、各インターネットチャネルの役立ち度向上につながると考えられます。

また、インターネット間のみならず、MR⇔インターネットチャネルの行き来も役立ち度評価へ影響を及ぼしており、インターネットチャネル役立ち度の評価において、医師の情報収集の一連の流れにおけるMRの対応も1つの役割を担っていることがうかがえました。

循環器を専門に見ておられるH先生のチャネルごとの役立ち度の評価基準、加点・減点ポイントは以下です。

チャネル 役立ち度の評価基準
(チャネルに期待する情報)
加点ポイント 減点ポイント
製薬企業の
ウェブサイト
作用機序、治療実績などエビデンスに基づいた情報が掲載されている 作用機序がわかりやすい 作用機序情報が不十分
インターネット
講演会
作用機序、治療実績などエビデンスに基づいた情報が掲載されている

高名な先生の解説によって理解が深まる

製薬企業のウェブサイトだけでは得られない情報を質疑応答で得られる
作用機序がわかりやすい 作用機序が不十分
時間内で得られるものがない
医療系
ポータルサイト
作用機序、治療実績などエビデンスに基づいた情報が掲載されている

新しい情報を短い時間で入手できる

専門/専門外の情報が入手できる
作用機序がわかりやすい

「DM白書ラボ」では、今後、医師が各インターネットチャネルに期待する事項を定量調査し、役立ち度向上のために各チャネルでやるべきことを明らかにしていく予定です。

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