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薬剤の処方行動が変化した際に、決め手となった情報源の推移

記事公開日 2024.07.31
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記事公開日 2024.07.31

「DM白書ラボ」では、DM白書ご購入企業様からいただいたご要望の中から、各社共通のニーズと思われるテーマをピックアップし、深堀分析を行っています。

今回は、DM白書で調査している、「処方行動が変化した薬剤の情報源」について、過去からの変化を含めて追加で集計、分析した結果をご紹介します。

「DM白書2024年春号」(n=5,077名)の回答を対象にしています。

背景・目的

DM白書で調査している「直近3か月で処方行動が変化した薬剤」の「情報源」と「決め手となった情報源(PI/処方インパクト)※1」の割合が、処方行動の変化パターン別※2に過去からどのように推移しているかを明らかにするため、追加の集計・分析を実施しました。

  • ※1 薬剤の情報源としてあてはまるものをすべて選択したうえで、処方行動を変える決め手となった情報源を1つ選択。処方インパクトはこちらも参照ください。
  • ※2 処方行動の変化パターンは「新規処方」、「処方を増加した」、「処方を維持した」の3パターン。

目次

詳細

前提条件

  • ● DM白書2024年春号とDM白書2018年夏号を対象に集計。
  • ● 2018年夏号の調査と選択肢を揃えるため、2024年春号の情報源の選択肢のうち、「MR(面談・電話)」と「MR(メール)」の回答を合算して重複を削除したものを「MR」として定義。
  • ● 決め手となった情報源の割合は、「処方行動を変える決め手となった情報源の回答数」÷「薬剤の情報源としての回答数」という計算式で、情報源ごとに集計。

新規処方、処方増、処方維持、どのフェーズでも決め手になったチャネルは「MR」が最も高い割合

処方行動の変化パターン別の、薬剤の情報源と、決め手となった情報源の割合を集計した結果は下記のとおりでした。

【新規処方した薬剤】
処方行動が変化した薬剤の情報源と決め手の割合(2024年と2018年の比較)
【処方を増加した薬剤】
処方行動が変化した薬剤の情報源と決め手の割合(2024年と2018年の比較)
【処方を維持した薬剤】
処方行動が変化した薬剤の情報源と決め手の割合(2024年と2018年の比較)

インターネットサイトやインターネット講演会から情報収集する割合、決め手となる割合は、新規処方、処方増加、処方維持のどのパターンでも、2018年と比べて増加しています。一方でMRから情報収集する割合、決め手となる割合は減少しています。

薬剤の処方行動が変化した際に、決め手となった情報源の推移

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決め手となった情報源(インターネットサイト)は、m3に代わり製薬企業ウェブサイトが上昇

「インターネットサイト」の、詳細の情報源と、決め手となった情報源の割合について集計した結果は下記のとおりでした。

【新規処方した薬剤・インターネットサイト詳細】
処方行動が変化した薬剤の情報源と決め手の割合(2024年と2018年の比較)
【処方を増加した薬剤・インターネットサイト詳細】
処方行動が変化した薬剤の情報源と決め手の割合(2024年と2018年の比較)
【処方を維持した薬剤・インターネットサイト詳細】
処方行動が変化した薬剤の情報源と決め手の割合(2024年と2018年の比較)

すべてのインターネットサイトの情報源の割合が、各処方行動の変化パターンにおいて、2018年よりも増加しています。一方で、各インターネットサイトの決め手の割合は、新規処方、処方増加、処方維持のどのパターンでも、2018年時点ではm3が「決め手となった情報源」として最も高い割合となっていました。しかし、2024年春号の調査ではm3は減少傾向にあり、代わって製薬企業ウェブサイトが、決め手となった情報源として高い割合となっています。とくに、新規処方、処方維持のパターンでは製薬企業ウェブサイトが決め手となった情報源として最も高くなっており、処方増加のパターンでも、m3と製薬企業ウェブサイトがほぼ同じ割合になっています。

上記表はこちらよりダウンロードいただけます。

薬剤の処方行動が変化した際に、決め手となった情報源の推移

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考察

ラボ編集部からのコメント

医師が薬剤の情報収集や処方行動の決め手として利用する情報源について、2018年と比較してインターネットチャネルの占める割合が高くなっていることがわかりました。

また、インターネットサイトの中では、「処方行動を変える決め手となった情報源」の割合としてm3など医療系ポータルサイトが減少し、製薬企業ウェブサイトが増加していることが明らかになりました。

決め手となるインターネットサイトが変化している背景には医師が医療系ポータルサイトと製薬企業ウェブサイトを使い分けている点があると考えられます。「DM白書ラボ」で行った医師インタビューでは「医療系ポータルサイトはニュースサイトとして新しい情報を短い時間で入手するために使う」※3、「製薬企業ウェブサイトでは、作用機序や治験実績などのエビデンスを確認するために使う」※3など、目的に合わせて各チャネルを使い分ける医師の姿が見えてきています。

今後は、各チャネルへの医師ニーズの違いを把握したうえで、製薬企業ウェブサイト上にコンテンツを充実させることと、MRを含めた他チャネルとの連携やマーケティングオートメーションを活用して、必要なタイミングで製薬企業ウェブサイトに誘導させる動きが、処方の獲得に向けて重要になると考えられます。

本記事で掲載しているグラフはこちらより、ダウンロードいただけます。
※属性別データ提供オプションをご契約いただいている方は、下記「属性別データ分析機能を使う」ボタンより、医師の診療科や専門疾患、施設形態などを軸に絞り込んだデータをご確認・ダウンロードいただけます。

※3
>> DM白書「役立ち度」評価指標とその背景 -インターネットチャネル編2-

今後

次回以降の調査で解決すべきことは?

「処方行動を変える決め手となった情報源」として割合が高くなってきているインターネットサイトですが、製薬企業ウェブサイト、医療系ポータルサイト、インターネット講演会、それぞれに医師が求める役割が異なるのでは、というニーズが見えてきています。この点については、リサーチテーマ「白書のお役立ち度を高めるためにすべきことは?」にて調査結果をご紹介しています。合わせてご覧ください。

>> インターネットチャネルごとの、「役立ち度」評価ポイント

出典

DM白書2024年春号
調査期間:2024年1月17日~1月24日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,077名

DM白書2018年夏号
調査期間:2018年4月2日~4月16日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,035名

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