マーケティングオートメーション - オウンドメディア以外の接触データの取り込み方 -
マーケティングオートメーションを検討していく中で、オウンドサイトやメール配信といったオウンドメディア以外のチャネル接触からシナリオを組みたいという声をよく伺います。しかしながらMAツールが入っていないチャネル接触のデータはMAツールに連携されていないケースが多いのが実情です。
そこで本記事では、Marketoで取得していないオウンドメディア以外の他チャネル接触のデータをどう取り込むかについてご紹介します。
主に考えられるオウンドメディア以外のチャネルについて
「疾患・薬剤情報取得の効率化のための情報源利用意向」から、インターネット講演会や医療系ポータルサイトで提供される製薬企業のコンテンツの利用意向が高いことが分かっています※1。このことから、オウンドメディア以外のチャネルでの接触シナリオを組むことで、より効果的なマーケティングオートメーションの成果が期待できます。
また、メールを許諾しなかった理由についても、興味・関心のない情報ばかり送られてきたためと回答した割合は約3-4割を占めています※2,3。このことからどのチャネルにおいても興味・関心があるコンテンツを適切なタイミングで案内することによって、医師の満足度向上が期待できるでしょう。
- ※1 疾患・薬剤情報取得の効率化のための情報源利用意向(DM白書2024年夏号)
- ※2 製薬企業ウェブサイトのメールマガジンを許諾しなかった理由(DM白書2024年夏号)
- ※3 MRからのメールを許諾しなかった理由(DM白書2024年夏号)
オウンドメディア以外のチャネルのデータ取り込み方
ではオウンドメディア以外での接触チャネルのデータ取得について、Marketoで考えられる方法をご紹介します。
1) カスタムアクティビティを活用する
Marketoにはカスタムアクティビティと呼ばれる、Marketoが関与しないアクティビティを保存する機能があります。
●メリット:一度Marketo連携さえしてしまえば自動化されるので、運用コストなく常に最新の情報を持ってマーケティングオートメーションのシナリオを検討・作成することができます。
●デメリット:Marketo連携が提供されていない製品があります。また自社システムとの連携の場合は開発が必要になりますので、初期開発費用が発生します。
2) スタティックリストを活用する
Marketoのスタティックリストとして、顧客リストをインポートする方法です。
●メリット:別途アクセスログ等をまとめる必要がありますが、Marketo標準機能のみで対応可能です。
●デメリット:
各チャネルログをMarketoに取り込むためのデータに変換する必要があります。またMarketo内に取り込むという作業が発生するため運用コストが発生します。1日毎にスタティックリストが複数作成されるため、将来的にMarketo管理が煩雑になります。またシナリオによってはスマートリストの設定も複雑になります。
3) カスタムフィールドを活用する
2)のスタティックリストから派生した方法です
●メリット:2)のメリットに加えてスタティックリストを適宜削除することができるため、Marketo管理が煩雑になることを防ぐことができます。
●デメリット:
2)のメリットに加えてMarketoではカスタムフィールドの作成数に上限があるため、カスタムフィールドに取り込むデータ設計が難しくなります。また1つのカスタムフィールドに複数のログを管理する必要がでてくるため、マーケティングオートメーションに活用するための設定も複雑になります。
4) スコアリングを活用する
Marketoのスコアリングを活用する方法です。
●メリット:別途アクセスログ等をまとめる必要がありますが、Marketoの標準機能のみで対応可能です。ユーザの関心度を数値化できるので、関心度に応じたマーケティングオートメーションを組むことができます。
●デメリット:
スコアリングの性質上、「値が変動した時」のタイミングでのみマーケティングオートメーションを動かすことになります。またユーザの関心度を数値化するため、一定期間アクションがない場合はリセット・マイナスするなど初期設計が重要であり、設計フェーズに時間がかかります。
5) Marketoフォームを活用する(医師面談のみ)
Marketoフォームを利用し、MRが面談日時を入力して管理する方法です。
●メリット:MRが面談日時を入力するので、入力タイミングによりますが基本的にリアルタイム性に優れます。
●デメリット:医師面談のみに対応しており、他チャネルに関しては対応できません。またMRが面談日時を入力するため、入力漏れや入力ミスが発生するおそれがあります。
まとめ
本記事ではMarketoを利用してオウンドメディア以外での接触チャネルのデータを取り込む方法について5通りご紹介しました。これからマーケティングオートメーションの実行プランを検討する際に、特にオウンドメディア以外の接触データが対象となる場合は期間と実行内容が重要です。長期で活用を想定するなら1)でご紹介したカスタムアクティビティを活用することをおすすめします。一方で短期的にキャンペーンとして実施する場合は2)のスタティックリストを活用するのがいいでしょう。
ぜひこの機会にオウンドメディア以外での接触チャネルのデータを取り込む方法について検討し、活用してはいかがでしょうか。
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