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処方判断における役立ち度評価を高める重要因子とは?

記事公開日 2024.12.11
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記事公開日 2024.12.11

目次

医師の複数チャネル活用の心理

一般的に、医師が薬剤の処方判断を行う際に複数の情報源やチャネルを活用する背景には、主に以下の心理的要因が存在すると言われています。

1. リスク回避のための情報収集

医師にとって、患者の治療に用いる薬剤の選定は非常に重要であり、誤った判断は患者の健康ならびに自身や施設への信頼に大きな影響を与える可能性があります。このため、医師は製薬会社の公式資料、学会発表、研究論文、そして同僚の意見や患者のフィードバックなど、複数のチャネルを通じて情報を確認し、リスクを最小化しようとします。

2. 一貫性と信頼性の確認

医師は、異なる情報源から得られるデータに一貫性があるかを重視します。一貫した情報が提供されることで、薬剤の有効性や安全性への信頼感が高まり、処方判断に確信を持つことができます。

複数の情報源の連動性評価と処方判断における役立ち度評価の相関

DM白書2024年冬号では、複数のチャネルを用いた医師に対する総合的な情報提供への評価を確認するため、「製薬企業からの情報提供全体に対して」という条件で、(1)処方判断への役立ち度、(2)関心事へのマッチ度、(3)複数チャネルの連動性評価、という3つの視点で調査を実施しました。

その結果、関心度へのマッチ度以上に、複数の情報源の連動性評価は、処方判断への役立ち度との相関が高いという結果となりました。

先に述べた医師の複数チャネル活用の心理でも触れましたが、製薬企業が複数のチャネルから提供される情報に触れる目的は、処方判断における情報への信頼性の担保であり、関心度へのマッチ度以上に各情報の連動性が重視されているということだろうと思われます。

チャネル別情報提供内容の関心度・タイムリー性評価

企業間の評価差が大きい連動制評価

複数のチャネルを用いた医師に対する総合的な情報提供に対する評価視点について、今回調査した3つの中で、最も企業間の評価差が大きかったのは(3)の「複数チャネルの連動性評価」でした。

製薬企業からの情報提供 複数チャネルの連動性評価

上位30社の平均点の最高点は6.98に対し、最低点は6.38と0.6点の差があります。これだけ評価差が大きいということは、各社の実施内容に違いが出やすいチャネルが影響している可能性が高いと思われます。

インターネット講演会は、演題テーマの選定や講演時間内での製品情報の告知方法、講演会前後でのフォロー活動など、各社の違いが大きく出る取り組みです。

連動制評価の観点で自社の取り組みを検証されるならば、インターネット講演会とMRやオウンドサイトでの製品ディテール情報の連動性を高める取り組みから始められてはいかがでしょうか。

なお、DM白書ラボでは、上記の「製薬企業からの情報提供 複数チャネルの連動性評価」についてデータ分析可能な記事として公開中です。「合わせて読みたい記事」欄よりぜひご活用ください。

まとめ

医師の処方判断における複数チャネル利用は、リスク回避や選択肢の多様性、一貫性の確認といった心理的要因によるものです。製薬企業は、これに対応すべく、チャネル間で一貫性を保ちつつ、各チャネルの特性に応じた情報提供を連動性高く実現することが必要です。このことが、医師からの処方判断における役立ち度評価を高めることに繋がります。

(文:河南)

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