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製薬オウンドサイト内の利用状況から考察する、AIチャットボット利用拡大の可能性

記事公開日 2024.04.17
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記事公開日 2024.04.17

MCI DIGITALでは2024年1月に実施したDM白書2024年春号向けアンケートにおいて、製薬企業の医療関係者向けオウンドサイト内でのAIチャットボットの利用実態を調査しました。

目次

AIチャットボット利用経験は9.9%

本調査の結果、以下グラフの通り、全体のうち9.9%の医師にAIチャットボットの利用経験があることがわかりました。

製薬企業ウェブサイトのAIチャットボット利用経験(医師版マルチメディア白書2024年春号)

イノベーター理論※1に当てはめると、オウンドサイト内でのAIチャットボットサービスは、アーリーアダプター層の半分程度まで利用率が進んだ状況と言えます。

この9.9%という利用率は、2017年に実施したMRとのリモート面談の利用率と同様の値です。MRによるリモート面談は、その後2020年までの3年間でアーリーアダプター層を超える16.5%まで上昇しました。その後は、コロナ禍を契機に利用率は急上昇し、2022年夏の時点で44.2%に達しています。

イノベーター理論

AIチャットボット利用率拡大のカギ

AIチャットボットの利用率が、今後リモート面談やインターネット講演会のように拡大していくかどうか。その予測如何で、まだ実装前の企業の対応も変わってくるかと思いますが、デジタル商品群を対象としたキャズム理論※2では、利用率拡大のカギは、現在すでに利用経験のあるイノベーター・アーリーアダプター層からの口コミ評判を高めること、とあります。

そこで今回の調査では、AIチャットボットを利用したきっかけについても回答いただきましたのでご紹介します。

AIチャットボットを利用したきっかけ(医師版マルチメディア白書2024年春号)

回答率上位の2つは、いかにもアーリーアダプター層と言える内容ですが、その他回答率の高かった内容から、医師のAIチャットボットに対する利用ニーズや期待は、既存サービスを上回る「即答性」と、人に質問することへの「抵抗感の解消」ではないかと推察されます。この観点でユーザービリティ改善を図り、アーリーアダプター層の評価を高めていくことが、AIチャットボットの利用率拡大に繋がるのではないかと考えます。

別途調査したChatGPTなどの生成AIを利用した薬剤情報の収集経験は、2023年4月の調査時点で5.2%だったものが、今回の調査では15.4%に増加していました。オウンドサイト内でのAIチャットボット利用に先行する形で、生成AIを利用した薬剤情報収集活動が拡大しているようですので、製薬オウンドサイト内でのAIチャットボット利用も拡大すると予想し、早い段階での実装と、組織内での運用ナレッジの蓄積に取り組まれるのが良いのではないでしょうか。

出典

DM白書2024年春号
調査期間:2024年1月16日~1月24日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,077名

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