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製薬企業ウェブサイトAIチャットボットの利用状況(2024年春号)

記事公開日 2024.03.27
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記事公開日 2024.03.27

「DM白書」では、チャネル別利用意向やメディアマインドシェアといった定期的に調査している項目に加えて、毎号「特集」として時代のトレンドに合わせた設問を用意し、医師の利用状況や利用意向を調査しています。本記事では、2024年春号の特集テーマである「製薬企業ウェブサイトAIチャットボット利用状況」の選定背景および調査結果の概要をご紹介します。

本記事は、製薬業界の動向を把握していただくことを目的としています。
DM白書に掲載されている詳細なデータについては、本記事では取り扱っておりませんのでご了承ください。

目次

製薬企業ウェブサイトAIチャットボットの利用状況や期待事項について探る

選定背景

DM白書2023年冬号の調査で、「医師の働き方改革」の影響でMRとの面談時間が減ったと回答した医師に対して、「MRとのコミュニケーション方法の観点で製薬企業に期待すること」を自由回答で取得しました。
その中で、以下のようにチャット機能を希望する回答もいくつか見られました。

  • ● 働き方改革のための面談時間の短縮やコロナによる立ち入り禁止のため、面談以外でのコミュニケーションツールが望ましい。MRと直接ではなく、AI対応などがあるとより気軽でよい。
  • ● チャットボットや生成型AIを利用することによっていつでもタイムリーにこれまで以上に柔軟で具体的かつ詳細な薬剤情報を手軽に提供できるシステムが普及すれば良いと思う。
  • ● MRとの面談の時間が減ったことへの対策としてAIを活用したチャットボットの導入は必須である。

近頃、製薬企業のオウンドサイトではAIチャットボットツールの導入が増えてきており、試行錯誤しながら活用方法を探っている状況ではないかと考えています。

そのような状況下において、製薬企業側では下記のような課題や疑問を抱えています。

製薬企業ウェブサイトのAIチャットボット利用における課題・疑問

  • ● 製薬業界内でのAIチャットボット利用状況が把握できていないため、自社のAIチャットボットの評価が難しい
  • ● AIチャットボットへの医師からの評価が捉えられていない
  • ● AIチャットボットで提供する情報の内容はどんなものが適切なのか、また、どんな情報であれば利用頻度が高まるのかという点で判断基準がない

「DM白書2024年春号」の調査項目

そこで、「DM白書2024年春号」では、製薬企業ウェブサイトのAIチャット機能の利用状況と評価、ニーズについて以下内容を調査しました。

  • ● 製薬会社が提供する医療関係者向けウェブサイトでAIチャットボットを利用したことがあるか?
  • ● チャットボットを利用したきっかけは? (選択形式)
  • ● チャットボットを利用しない理由は? (選択形式)
  • ● チャットボットの今後の期待度とその理由※1
  • ● 利用した製薬企業のうちチャットボットの利便性の観点で最も評価できる製薬会社は?
  • ● どのようなケースであればチャットボットを利用してもよいと思うか?※2
  • ※1 期待度の選択理由:AIは進化していくと思うから、自分の好きな時間に情報収集したいから、ニーズに添った情報を出してくれるようになると思うから、コールセンターやMRなどの担当者の能力差によらず一定の情報提供が期待できるから、医療関係者向けWebサイトから必要な情報を見つけるのが困難だから、他
  • ※2 ケース内容:医薬品の学会発表に関する情報が入手できる、医薬品の海外の情報が入手できる、関連情報も提示してくれる、資料請求機能がある、Webセミナー開催情報にも回答してくれる、他

調査結果概要

調査の結果、AIチャットボットの利用経験がある医師は全体で10%程度となりました。

AIチャットボットを利用したきっかけは、「たまたまAIチャットボットを目にしたから」が最も多く37%、続いて「AIチャットボットを試してみたかったから」が27%、「すぐに回答が欲しかったから」が19%という結果となりました。

AIチャットボットに対する今後の期待度が高い医師の期待している理由では、「AIは進化していくと思うから」が最も多く、続いて「自分の好きな時間に情報収集したいから」、「ニーズに沿った情報を出してくれるようになると思うから」の順となりました。

白書編纂チームからのコメント

製薬企業ウェブサイトのAIチャットボットを利用したことがある医師は10%程度であることが分かりました。

利用したきっかけは、「たまたまAIチャットボットを目にしたから」が最も多く、最初の利用を促すためにチャットボット機能をうまく訴求していくことが重要であると考えます。ただし、チャットボットを表示させるページやタイミングなどを検討せず、アクセスしたすべてのページでチャットボットをポップアップ形式で表示してしまうと、利用してもらう前にチャットボットを閉じられてしまう危険も高まるため、ウェブサイト上でのユースケースを踏まえた設計が重要になります。

AIチャットボットに対する今後の期待度が高い医師のその理由では、「AIは進化していくと思うから」が最も多い結果となりました。「自分の好きな時間に情報収集したいから」「ニーズに沿った情報を出してくれるようになると思うから」の回答割合も高く、「医師の働き方改革」の影響で院内でのMR面談時間や情報収集時間が減少していくことも踏まえると、医師の情報収集の効率化を手助けしていく役割が求められてくると考えられます。

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