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バーチャル空間を使った講演会・研究会のニーズ(2023年春号)

記事公開日 2023.08.04
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記事公開日 2023.08.04

「医師版マルチメディア白書」では、チャネル別利用意向やメディアマインドシェアといった定期的に調査している項目に加えて、毎号「特集」として時代のトレンドに合わせた設問を用意し、医師の利用状況や利用意向を調査しています。本記事では、2023年春号の特集テーマである「バーチャル空間を使った講演会・研究会のニーズ」の選定背景および調査結果の概要をご紹介します。

本記事は、製薬業界の動向を把握していただくことを目的としています。
DM白書に掲載されている詳細なデータについては、本記事では取り扱っておりませんのでご了承ください。

目次

利用意向の高まる「インターネット講演会」の課題解決方法を探る

選定背景

2020年のコロナ禍以前から、医師の80%以上が薬剤・疾患関連情報取得の効率化のために使用するチャネルとして「インターネット講演会」(Web講演会)の利用意向を示していました※1。コロナ禍を経た2023年においても、「インターネット講演会」は「処方行動に変化をもたらした情報源」として、「MR」と並んで最も高い割合を占めています※2

こういった背景も踏まえ、各製薬会社はこれまでに「インターネット講演会」の講演内容に工夫を凝らしたり、開催頻度を増やしたりするといった対応を実施していますが、製薬会社と医師、双方にはそれぞれ課題が存在しています。

「インターネット講演会」に関して、製薬会社における主な課題は以下です。
・どの製薬会社も似たような仕組み、講演内容であり、競合他社との差別化が図りづらい
・視聴中、視聴後に医師とコミュニケーションを取ることができず、リアルでの講演会と比較してクロージングしづらい
・医師の満足度を高めたい

そして、医師においては以下の課題が挙げられます。
・医師同士で交流や意見交換を行うことができない
・疑問点などをその場でMRに聞くことができない
・講演中、講演後に質問しづらい

こういった課題を解決する手段として、現地開催のような臨場感を体験でき、アバターを使って演者や参加者と交流が図りやすい機能を持つメタバースなど、バーチャル空間を使ったインターネット講演会の開催が考えられます。すでに、試験的に実施している、または実施の可能性について検討を開始している、という製薬会社もあります。

そこで、「医師版マルチメディア白書2023年春号」では、「バーチャル空間を使った講演会・研究会」について、以下内容を調査しました。
・講演会を現地で参加するメリットは?
・バーチャル空間(インターネットサイト内でアバターを操作するメタバースなど)を使った製薬企業主催の講演会
・研究会等の認知状況と参加経験の有無
・参加した感想は?
・バーチャル空間を使った講演会・研究会に望むことは?

※1「医師版マルチメディア白書2019年冬号」疾患・薬剤情報取得の効率化のためのデジタルチャネル利用意向
※2「医師版マルチメディア白書2023年春号」処方行動が変化した薬剤の情報入手先(情報源)PI集計

調査結果概要

調査の結果、「製薬企業が主催するバーチャル空間での講演会・研究会の開催」については、若い医師ほど認知が高く、実際に参加経験がある医師の中では40歳代の医師の割合が最も高い結果となりました。

参加経験医師の感想(自由回答)では、ポジティブな意見とネガティブな意見が半々となっており、バーチャル空間を利用した講演会の検討、サービスの構築を進めていくうえで参考になる意見も多くありました。

「今後の参加意向」の結果を考慮すると、バーチャル空間を利用した講演会はまだ発展途上ではありますが、医師の関心・興味は少なくない状況であり、医師のニーズが存在すると考えられます。

一方で、今後こういったバーチャル空間を利用した講演会・研究会が発展していくためには、ツール側の改善が必要であることもわかりました。

本結果を、バーチャル空間を使った講演会開催可否や、実施に当たって解決すべき優先課題等の検討にもご利用いただくことができると思います。

※本データの詳細は「医師版マルチメディア白書2023年春号」掲載

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