複数チャネルが連携したリーチと処方への影響(2023年夏号)
(2023年夏号)
「医師版マルチメディア白書」では、チャネル別利用意向やメディアマインドシェアといった定期的に調査している項目に加えて、毎号「特集」として時代のトレンドに合わせた設問を用意し、医師の利用状況や利用意向を調査しています。本記事では、2023年夏号の特集テーマである「インターネット講演会を起点としたオムニチャネルマーケティングの実態」の選定背景および調査結果の概要をご紹介します。
本記事は、製薬業界の動向を把握していただくことを目的としています。
DM白書に掲載されている詳細なデータについては、本記事では取り扱っておりませんのでご了承ください。
インターネット講演会視聴後のフォローは、処方判断に影響を及ぼしているのか?
選定背景
2020年以降のコロナ禍を経験し、デジタル化が急速に進む中、製薬企業はオンライン・オフラインを問わないコミュニケーション環境の構築と各チャネルが連携したオムニチャネルの強化に取り組んできています。
「医師版マルチメディア白書2022年冬号」では複数チャネル※1が連携したリーチ率と各チャネルの役立ち度の関係を調査しました。その結果、医師全体で見ると、1つのチャネルだけでリーチするよりも、複数チャネルで双方向にリーチする方が、各チャネルの役立ち度が高まることが明らかになりました。
製薬会社からの要望もあり、「医師版マルチメディア白書2023年夏号」ではさらに深く踏み込んで、インターネット講演会(Web講演会)視聴後、講演内容に関する情報をMRや製薬会社から得ることが処方判断に影響を及ぼしているのかという点について調査しました。
・2023年1月~3月において、インターネット講演会にて定期的に情報収集した製薬企業
・その製薬企業において、同企業のMRから連絡を受けて講演内容の関連情報を取得したことがあるか
・その製薬企業において、同企業から案内を受けてインターネットサイト上で講演内容の関連情報を取得したことがあるか
・MRから連絡を受けて情報を取得したことで処方判断に影響があったか
・企業から案内を受けてインターネットサイト上の情報を取得したことで処方判断に影響があったか
※1複数チャネル:MR(面談)⇔オウンドサイト、MR(面談)⇔インターネット講演会、オウンドサイト⇔インターネット講演会
調査結果概要
調査の結果、インターネット講演会視聴後に同企業のMRから連絡を受けた医師、または、同企業から案内を受けて関連情報を取得した医師の多くが、処方判断に影響を及ぼしていることがわかりました。 一方で、同企業のMRから連絡または同企業からの案内を受けて関連情報を取得した割合はまだ少なく、その点においては、製薬企業が今後取り組むべき課題であると考えられます。
本結果を踏まえ、各チャネルの医師アクティビティデータを収集・分析し、他チャネルと組み合わせて継続的な情報提供を行うなど、オムニチャネルマーケティングの戦略を検討いただくことができると思います。
※本データの詳細は「医師版マルチメディア白書2023年夏号」掲載