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テーマ 医師の働き方改革によって、製薬企業が注力すべきテーマとは?
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トラッキングレポート:働き方改革と医師の情報収集時間の変化【DLあり】

「DM白書ラボ」では、DM白書本編には未収載のデータを提供しています。今回は、「医師の働き方改革」が医師の情報収集活動にどのような影響をもたらしているのかについて調査した結果をご紹介します。「DM白書2025年春号(ラボ限定設問)」(n=5,136名)の回答を対象にしています。

背景・目的

2024年秋号の調査※1では、「労働時間短縮計画が推進中」の医療機関に勤務する医師のうち、「勤務時間が減少」と答えたのは約20%でした。
今回は、引き続き医師の働き方や情報収集スタイルの変化を調査します。

目次

詳細

前提条件

  • ● 設問「各媒体から疾患・薬剤情報について、1週間に何時間ぐらい情報提供を受けていますか」

・設問「2024年4月に開始された医師の時間外労働規制について、先生のご勤務先での医師労働時間短縮計画策定状況をお教えください」の回答別に、設問「各媒体から疾患・薬剤情報について、1週間に何時間ぐらい情報提供を受けていますか」、「各会合の参加状況についてお教えください。」の回答を集計。その平均値を、設問「先生の専門領域における薬剤・疾患情報について、1日あたりの情報収集するタイミングの占める比率を、利用する情報源(チャネル)ごとにお教えください」の回答結果と掛け合わせ、タイミング別の情報収集時間を算出。労働時間短縮計画が推進中の医師は、設問「時間外労働規制によって、先生の勤務時間がどう変化したかお教えください。」の回答別の結果も算出。
・設問「2024年4月に開始された医師の時間外労働規制について、先生のご勤務先での医師労働時間短縮計画策定状況をお教えください」で「策定され推進中」と回答し、設問2「時間外労働規制によって、先生の勤務時間がどう変化したかお教えください。」で「推進前よりも減った」と回答した医師を「(1)勤務時間が減少」、設問1で「策定され推進中」「策定中」「未着手」のいずれかを回答し、設問2で「変わらない」と回答した医師を「(2)勤務時間に変化なし」と定義して集計。

・集計条件

- HPの医師に限定して集計
- 調査期間:2025年1月24日~2月3日
- 調査方法:インターネット
- 有効サンプル数:医師5,136名

労働時間短縮計画推進中かつ、勤務時間が減少した医師は全体の15.3%

勤務施設における労働時間短縮計画の推進状況別に、タイミングごとの情報収集時間を集計しました。

労働時間短縮計画の推進状況別、情報収集タイミング・時間
記事内の図表をダウンロード

※本記事に掲載されている図表をすべてダウンロードしてご利用いただくことができます。

計画推進中の施設に勤務する医師69.8%(前回比+0.9pt)のうち、勤務時間が計画推進前よりも減少した医師は医師全体の15.3%(+1.5pt)でした。
1週間あたりの情報収集時間は、計画推進中かつ勤務時間が減少した医師が最も短く6.00時間となっています。

勤務時間が減少した医師の「勤務後自宅」での情報収集時間は、勤務時間に変化がない医師の情報収集時間より短い

計画推進によって勤務時間が減少した医師と、(計画の推進状況問わず)勤務時間が変化していない医師の情報収集時間を、情報収集のタイミング別に比較しました。

勤務時間への影響別、タイミング・時間【25年春号】
記事内の図表をダウンロード

※本記事に掲載されている図表をすべてダウンロードしてご利用いただくことができます。

勤務時間が減少した医師の「勤務後自宅」での情報収集時間は、勤務時間に変化がない医師と比べて、-0.20h(-12分)短いことがわかりました。

勤務時間が減少した医師の「勤務後院内」でのMR(面談、電話)からの情報収集時間は+0.18h(+10.8分)長い

時間外労働規制によって勤務時間が減った医師と勤務時間に変化なしの医師の、タイミング別・チャネル別の情報収集時間を比較しました。

【25年春号】勤務時間への影響別、タイミング別、チャネル別の情報収集時間

※切り替えてご確認ください

勤務時間が減少した医師と勤務時間に変化がない医師での情報収集時間の差の多かったものは以下の通りです。

勤務時間が減少した医師 勤務時間に変化がない医師 差分
勤務中 122分 128分 -6分
インターネットサイト 35分 44分 -9分
勤務後院内 118分 116分 1分
インターネット講演会 18分 27分 -9分
MR(面談、電話) 29分 17分 11分
勤務後自宅 92分 104分 -12分
インターネット講演会 22分 41分 -19分

医師属性ごとの調査データ

上記データを、データ分析機能で「精神科」に絞って確認したところ、勤務時間が減少した医師の情報収集時間は、勤務時間が変わらない医師の情報収集時間よりも -0.25h(-15分)短い結果となりました。(全体では、勤務時間が減少した医師のインターネットサイトでの情報収集時間は、勤務時間が変わらない医師の情報収集時間よりも0.12h(7.2分)長い)
そのほか、年代や診療疾患によっての傾向の違いは下記ボタンよりご確認ください。

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【精神科×勤務後自宅】勤務時間への影響別、タイミング別、チャネル別の情報収集時間【25年春号】

1分でわかる!「データ分析機能」のご紹介

考察

ラボ編集部からのコメント

24年秋号調査※1と同様に、25年春号の本調査でも、勤務時間が減少した医師の割合は、計画推進中の医師の約2割にとどまっており、労働時間短縮計画の影響は依然として一部の医師に限られている状況です。今後、勤務時間が減少する医師の割合は徐々に増えていくと予想されますが、各施設の労働時間短縮計画が「推進中」であるため、勤務時間が減少した医師においても、さらなる労働時間の短縮が考えられます。

勤務時間が減少した医師の「勤務中」の情報収集時間は減少しており、チャネル別ではインターネットサイトが減少する一方で、先輩・同僚、MR(面談)といった人を介した情報収集の割合が高い状況で、限られた時間の中で効率的に情報を得ようとする医師の姿が伺えます。

「勤務後院内」では、MR(面談、電話)の情報収集時間が増加し、インターネット講演会の情報収集時間は減少しています。前述のとおり、限られた時間で面談によって疑問をまとめて解消したいというニーズが影響している可能性があります。

「勤務後自宅」の情報収集時間も減少しており、インターネット講演会の利用時間も減少しています。労働時間短縮によって増えたプライベートの時間を、拘束時間の長いインターネット講演会に割きたくないという心理が働いていると考えられます。

今回の調査では、医師の情報収集時間に大きな変化は確認できませんでしたが、「限られた時間内での効率的な情報収集を行いたい」という医師ニーズの大きな流れは見えてきています。そのため、今後製薬企業側の情報提供の場面では、医師の情報収集時間を奪い合う競争が一層激化することが予想されます。働き方改革による医師の新しい情報収集スタイルにいち早く適応することが、この競争を有利に進める上で重要になるでしょう。

今後

今後明らかにしていくこと

働き方改革による医師の情報収集スタイルについては、引き続き定点調査を行っていく予定です。(25年10月以降公開予定)

(文:中嶋)

出典

DM白書2024年秋号(ラボ限定設問)
調査期間:2024年7月12日~7月23日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,146名

DM白書2025年春号(ラボ限定設問)
調査期間:025年1月24日~2月3日
調査方法:インターネット
有効サンプル数:医師5,136名

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